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重盛 牧夫さん
新年聴き始めのコンサート、何となく華やいだ雰囲気で会場に赴く。エントランス 前には薦被りが飾られ、既に鏡割りが済んだらしい樽が1つ。これは夜の部の聴衆に でも配られるのだろうか、などとつまらないことを考えつつ会場に入った。 最初は、南祐子さんをソロに迎えたチャイコンである。ウーーン、この曲何回聴いて も好きになれない。生でもよく耳にするし、TVはもちろんCD・LPでも何回か聴いてい るが、それでもやっぱり好きになれない。とはいえ、批評するためにはしっかり聴か ないといけない、と思いながら臨んだ。 南さんはやはりソロとしては慣れないせいか、出だしはちょっとハラハラしたが、尻 上がりに良くなってきた。もともと細かいフレーズの扱いには見る(聴く)べきもの があると思っていたが、この曲に求められるダイナミズムも徐々に現れてきて、第1 楽章半ばからは安心して聴けるようになった。ところどころのミスタッチはご愛敬、 全体的には良かったと思う演奏であった。
休憩後の「1812年」、やはり今日一番、作品や演奏がどうこうよりも、1月4日に最も ふさわしい曲だろう。久々に金管陣が大活躍、打楽器陣も見事だった。作品としての チャイコフスキーらしさはあまり感じられないものの、あのファンファーレやグラン カッサの咆哮(本当は大砲?)など、新年の幕開けにはピッタリと言える。このよう な祝祭的な音楽には、シンフォニカーの実力が120%発揮されるのだろうか。録音では けっして得られない興奮、客席からの「ブラボー」も、義理とは思えないくらい、 久々に胸のすく快演であった。
さて、最後は小林氏の自作のJapan Premier。演奏前に氏本人から作品に関する簡単 な説明があったが、非常にわかりやすい作品と言えるだろうか、常にわかりやすい演 奏を指向されている小林氏らしい曲である。もちろん作品に込められた氏の意図には 様々なものがあると思うが、そういうものを全く無視して純音楽として聴いても、出 色の出来ではないかと感じた。特に日本をイメージしたメロディーには、とても懐か しく感じたのは私一人ではないと確信している。しかし、こういう現代作品に対する シンフォニカーの相性の良さは、どう評価したらいいのだろう。今年3月には日蘭国 交400年記念の3回目、委嘱作の日本初演があるが、過去2回の初演から見てこれも期 待大である。昨年秋の「オケコン」しかり、今回の作品も含め、各パートの実力が如 実に試される作品では、常にトップクラスの演奏で応えるシンフォニカーには、あら ためて脱帽した次第である。
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