朝日名曲コンサート
第12回 2000年4月23日(日)
指 揮/本名徹次(大阪シンフォニカー常任指揮者)
ヴァイオリン/谷本華子
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ノーヴァク版第2稿)
重盛 牧夫さん
「開場直前に着くと、NHKのカメラクルーがいて、ロビーを撮影していた。 誰か有名人でも来るのだろうかと訝っていたが、「クローズアップ現代」の収録らしい。どのようなテーマで放映されるのか楽しみである。放映日が決まったら、掲示板で案内していただけるとありがたい。
さて、前半は谷本華子さんをソロに迎えてのメンコンである。初めて聴く方だが、非常に音が奇麗だ。癖や刺激感が全く感じられず、耳に心地よい音色が響く。作品に対するアプローチは、まさに正統的と評して構わないと思う。名曲中の名曲として耳にする機会も多いだけに、個性的なアプローチを想像していたが、逆にこういう解釈のほうに新鮮さを感じてしまった。難をいえば少し色彩感に乏しかったかなと感じたが、これはホールの影響だろう。フェスティバルホールはいつも感じることだが、サイズが大きすぎてホールトーンが形成されにくいため、ソリストの音が素っ気無いものになりやすい。1階の左サイドなので特にそう感じることが 多く、今日は2階席中央最前列あたりが一番良かったのではないかと想像している。できればいずみホールか、もう少しサイズの小さいところで聴いてきたいものだ。プロフィールからみてまだ20代と思うが、これからの活躍が楽しみなヴァイオリニストである。 本名氏のサポートはいつもの通りやや抑え気味の、ソロを浮き上がらせるものだが、オケの見せ場では全開、安心して聴けるものだった。特に今日はアンサンブルが緻密で、もう1つレヴェルが上がったかなと感じた。
後半の「ロマンティック」、結論から言ってオーソドックスの一言、本名氏のタクトからこういう演奏が出てきたのにはちょっと驚いた。数年前のザンデルリンク氏による演奏が素晴らしかっただけに、本名氏がどういう味付けをしてくれるのか楽しみだったが、今日は堂々たる正統派のフルコースというところだろうか。 演奏は見事としか言いようがない。特に管楽器群の出来栄えは最高で、心から拍手を送りたい。冒頭の細田氏のソロが最高、第1回東京公演直前の定演で聴かせてくれた、あのブラ1を彷彿とさせる響きだった。それがぴったり決まってからはほぼ完璧、一個所だけ完全にタイミングのずれた所があったが、それも今日の演奏の出来を左右するようなものではなかった。 メンコンでのアンサンブルの緻密さが、そのままこの作品でも生かされていたようで、久々に胸のすくような快演、あまりの心地良さに、不覚にも途中少しまどろんでしまった。(^_^) 昼夜2回公演、体力的にもきついと思うが、これからもぜひ頑張っていただきたい。」
■掲示板に 安田裕隆さんが投稿していただいた批評をご紹介します。

今回の一連のフェスティヴァル名曲コンサートで最も注目していた本名徹次/大阪シンフォニカーのブルックナーのロマンティックは、期待に違わぬ熱演でした。
大阪シンフォニカーのロマンティックと言えば、'93.12.16 第35回定期演奏会でのT・ザンデルリンクの指揮によるもの以来だが、今回は本名さんの緻密さが光っていたように思います。 本名さんはいつもどおり第2Vnを右に配置する対抗配置(管楽器は通常配置)でしたが、今回はなんとコントラバスを舞台中央奥のヒナ段に6本並べたムジークフェライン風。 これが要所要所で見事に決まっていました。 特に第4楽章の冒頭、心臓の鼓動かと思うほどはっきりとズンズン... と響いてきたのには、もうゾクゾクッときてしまいました。 カーテンコールにおいてホルンの細田さんの次にコントラバス軍団が指名されていたように、実に見事にこの曲を支えていたと思います。 また視覚効果もあるのでしょうが、位置的にも金管ファンファーレ軍団と一体となって、キリッと締まり、かつ雄弁でした。 この演奏ではホルンやフルートの名演もありましたが、今回はこの配置を選択した本名さんとそれに見事に応えたコントラバス軍団を称えたいと思います。 僭越ながら難点を言わせてもらうなら、やはりVn12本の編成では弦楽器の厚みや艶が欲しくなります。 T・ザンデルリンクの時には、シンフォニーホールでの通常配置と条件は違いますが、3・4楽章で弦楽器が層をなすようにうねってオルガントーンを醸し出していました。 しかし今回はこれはなし。 器の大きいフェスティヴァルホールだったこと、本名さんらしく、締まりの効いた演奏だっ たこと、それにコントラバスが離れた位置にいるためでしょうか弦楽器群としての層の薄さがやや気になりました。 しかし本名さんと大阪シンフォニカーにそこまで言うのは贅沢というものでしょう。 本名さんの緻密な計算と良い意味での大阪シンフォニカーらしい若く熱い情熱が渾然一体となったロマンティックをこころゆくまで堪能させてもらいました。
なおこれに先だっての谷本さんの演奏によるメンコン。 Vn10本の編成ではやはりフェスティヴァルでは小さすぎたようです。 オフマイクで録音したように音像がやや遠かった。 しかし、無理にこの大ホールに合わせた強奏をして耳障りになることはなく、確実なテクニックで透徹な響きを出し熱演だったように思います。 これはいずみホールあたりで聴きたかったなぁ。
全体的に本名徹次/大阪シンフォニカーの好調さと今後への更なる期待を強く感じた演奏会でした。
投稿日 5月2日(火)12時45分 投稿者 安田裕隆

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