金光文和さん
指揮は曽我大介。大阪出身である売り出し中の彼の演奏に接するのは5年振り。前回は、当時29才の彼が音楽監督を務めいてたルーマニア室内管弦楽団(トランシルヴァニア・ヴィルトオーソ)の大阪公演。ザ・シンフォ二一ホールの2階席から見たモーツァルト交響曲第29番の颯爽とした指揮振りが瞼によみがえってくる。
大阪シンフオニカーの公演は、前回の68同定期公演に続いて本年2回目。1階のG−20席で聴いた1月前の園田高広とのブラームスの名演が、まだ耳に生々しい。外来のオーケストラは要らないと思ったほどのピラミッドバランスのヨーロッパサウンド。本目のソリスト末原さんは、私にとって、テレマンアンサンブルで活躍されていた頃のイメージが強い。夙川カトリック教会でのバッハをはじめとする古典派の演奏のイメージだ。
第69回定期演奏会のプログラムはベルリオーズを中心とした1920世紀の作曲この顔合わせで聴くこのジャンルの初体験。・・と、いうわけで本日の定期演奏会を、チケット(K−17席)を手にしたときから、心うきうきと楽しみに迎えることができた。
ユネスコ:ルーマニア狂詩曲第2番作品11−2の冒頭の分厚いうねるような弦楽譜の響きを耳にした時、この瞬間に会場に居られることの幸せを実感した。指揮者が聞き事に届けたいと思った音に包まれる心地よさだ。バブアゼ氏をはじめ、弦楽器の各セクションのメンバーに拍手。ダブルベースのトップにオペラハウス管弦楽団の増田氏(本日の客演主席)を見るのも楽しい。客演主席は普段は別の楽団で活躍している思わぬ人を見つける楽しみと、楽壇内の交流が感じられる楽しみとがある。是非、続けてほしい。
イベール:フルート協奏曲第3楽章で、アンサンブルを大切にする末原さんのフルートと、弦ピチカートに乗ってのファゴット、クラリネットとの掛け合いの響きの美しさが印象に残った。バッハの時と少し違う、ソリッドだが色彩にあふれたフルート。
幻想交響曲は、来日オーケストラの名演が喧伝されているが、今日シンフォニカーの熱演は、ずっと耳に残ると思う。第4楽章終了時に拍手が起きたが、違和感を感じなかった。エネスコでは曲の余韻を大切にして、見事に間のあいた拍手を送ったシンフォニカーの聴き手から自然に起きた拍手だった。全メンバーを見渡しながら心の中で同感の拍手。
ルーマニアを始め、ヨーロッパでキャリアを積んでいる曽我氏のリードから引き出されたシンフォニカーの演奏からは、適切適切なたとえとは言えないが、タンノイなどのヨーロッパ系のスピーカーのサウンドに感じるような香気を感じる事ができた、フルオーケストラを率いて、過不足無く自分を語ることのできる才気。背中が大きく見える指揮者だ。
関西のオーケストラは今、それぞれ聴いて楽しい。大阪シンフォニカーでいうと、チケットを購入している11月のプッチーニが今から楽しみだ。