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津名郡津名町立しづかホールでの恒例「淡路島定期」も8回目。第10回の節目が目前に迫り、ちょっとした歴史になりつつある。地方都市とプロ楽団との継続的な関係は貴重で、聴衆のマナー向上や演奏のレベルアップを実感できる場となっている。
メンデルスゾーン4曲というプログラム。曽我&シンフォニカーのコンビでは以前、「イタリア」の好演があったのが印象に残る。今回は序曲「フィンガルの洞窟」、バイオリン協奏曲、「真夏の夜の夢」抜粋という楽しめる3曲に、「弦楽のための交響曲10番」と、ちょっと渋いのをスパイス的に加えた。
期待にこたえてくれたのは、バイオリン協奏曲の独奏者、高木和弘だ。知性と情感のバランスがとれた名手で、オーソドックスで端正なスタイルの表現ながら、聴きごたえ十分。細かい動きの部分も音楽をちょこまかさせずにしっかりと大きく歌う。
第一楽章のカデンツァの最後にちょっとした工夫があったり、第三楽章の出だしの加速部分でハッとさせるようなみずみずしさを出すなど、面白みもあった。シンフォニカーの伴奏もソロの好演に劣らぬ緊張感があった。
「フィンガルの洞窟」は曲が求める柔らかく透明な響き、メロディーを甘ったるくさせすぎないきびきびした動きがいい。「真夏の夜の夢」は躍動感豊かで、スケルツォでの木管、序曲と夜想曲でのホルンの好演が際立った。フィナーレの「結婚行進曲」は、むしろ華やぎを抑えて緊張感を高め、辛口の響きで堂々と締めくくった。
弦楽のための交響曲10番は古典的なムードの色濃い佳曲。よくまとまった演奏ではあったが、シンフォニカーの規模の編成では重要なレパートリーになり得るだけに、より一層の自発性を発揮してほしかった。
(座頭 市太郎さん)