指揮―寺岡清高 ヴァイオリン―田中晶子 ■メンデルスゾーン :ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 ■ブラームス : 交響曲 第1番 ハ短調 Op.68 |
第29回名曲コンサートを昨夜聴かせて頂きました、クラッシックファンの一人です。
2004年度よりの正指揮者、寺岡清高氏の先駆けての指揮ということや、お馴染みの曲、ということで、興味津々の心境で参りました。
1曲目のメンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルトを聴いて、もちろん、ソリストの田中晶子氏の、のびのびとした、メンデルスゾーンならではの、明るさをたっぷり聴かせてくれた演奏に感動を受けましたが、寺岡氏の指揮による、バックのオーケストラの決め細やかなソリストへの配慮といいますか、彼女の演奏を引き立たせる音量やテンポその他に心打たれるものがありました。
決して、聴衆に居丈高でなく、媚びるでもなし、非常に美しく旋律の流れの沿って、メンデルスゾーンの意図としたであろう、ドイツロマン派の華やかさ豊かさを表現されていたように思いました。 管楽器、打楽器の一つの音にも、最新の神経が寄せられていたような、決め細やかさも感じとれました。
ブラームスの交響曲1番はなんといっても、期待一杯です。私は中央の階段より、少し後ろでしたので、全体の音の響きからいうと、問題ない位置であったと思います。
ブラームス43歳にして、第1交響曲が発表されたという、他にない円熟期にして完成された、まれに見る、ありとあらゆる面での傑作といわれるだけあって、誰の胸にも感動の嵐が訪れる曲です。 フル編成で、寺岡氏(指揮台に立った彼は大きく見えました。多分実際の彼の身長より、もっと大きく。)の指揮は、非常に、内面に情熱を秘めながらも、最も冷静であったように伺えました。テンポもブラームスにあった緩やかで、しかも重厚感のある演奏で、それでいて、小細工や、下手なリタルランドで、受けを狙わない、期待の4楽章の中心旋律など作曲者の意図に恐らく忠実であったに違いありません。
それに、コンサートマスターの森下氏のソロ、素晴らしかった、の一言に尽きます。(実は私、彼の大ファンの一人なのです。見た目と演奏、両方で。)こんなに、爽やかなブラームスを聴いたのはわたしにとって、久々の演奏であったという感想を持ちました。
ただ、最近オペラ等でフェスティバルホールはよく聴きに行っているのですが、大合唱などには、向いてるホールだと思いますが、ヴァイオリンコンチェルトを演奏されるのには、やはりホールの広さのせいか、音響のせいか、折角のソロの音が、どこかに吸い取られてしまうような気がしないではありません。折角の熱演をもっと響きのいいホールで聞きたい、と思っていましたら、来年度からは名曲コンサートもシンフォニーホールにて聴く事が出来る、と聞いて、大賛成、と喜んでしまいました。
今、オーケストラは指揮者の話題で、結構今までクラシックに興味のなかった若者まで、タレントのファンごとくに騒ぎ立てている風潮があります。
それだけ、指揮者に寄せる期待や、イメージの占める部分が大きいのでしょう。しかし、大切な事は出来上がった音楽の豊かさ、オーケストラとの一体感、真剣さ、どれだけの人々の心に訴えるかということだと思うのです。
寺岡氏の経歴をみて、様々のコンクールでの栄誉ある賞、実績、これからの大阪シンフォニカー交響楽団での活躍に大いに、期待を寄せられる指揮者、と伺えましたが、素人の私が最も関心を寄せました事は、彼が最初に早稲田大学の文学部を卒業されていることです。文学を学ばれていたということは、音楽においてもただ技術的な面だけでなく、作品への思い入れや心理状態、解釈などに造詣が深いに違いない、という点です。
まだまだ、若い指揮者でパワー溢れる、カッコイイ彼に今後の活躍を思いっきり期待したいと胸が躍ります。
つたない、一クラシックファンの感想ですが、述べさせていただきました。
(愛子さん)