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批評:小山 賛美(コヤマ ヨシミ)さん
年一回の京都定演は第3回目、久々の京都コンサートホールで大阪シンフォニカーがどんな演奏を聴かせてくれるか楽しみにしていました。しかも今日はマイバースディー。この記念日に演奏会に行けるなんて幸せ者だなぁと思いつつ会場へ。いつも一生懸命!の熱い演奏ぶりはもちろん、それに加え今日の彼らはホールの響きを楽しんでいるかのようにいきいきしていて、非常に美しい響きを創り出していました。
ただ結構空席が目立っていて寂しかった。またオーケストラの熱演に対して聴衆がちょっと醒めていたかなという気がしました。拍手もあまり熱心ではなかったし、大阪からやってきたフレッシュ(!)オーケストラを盛り立てようという雰囲気がもっとあってもいいと思う。「とてもいい演奏だったのにどうして?」と残念な気がしました。
・最初はスメタナ「わが祖国」から"ボヘミヤの牧場と森から
出だしの部分が大好き。ここを聴くときはいつでもワクワクします。瞑想的な響きがホール一杯に広がって気持ち良かった。全体を通じてヴァイオリンの透き通った音色がとりわけ印象的でした。
・次はグリークのピアノ協奏曲:独奏は近藤嘉宏さん。
いきなり♪ジャンジャンジャンと大音響で始まるところだけど今日はソフトなタッチでした。でも曲調が激しくなるにつれて次第にピアノも冷たく厳しくなってゆく。鋭い金管とティンパニーが緊張感をより高めていました。チェロと木管が実に寂しげな音色で、北欧の大自然が目に浮かぶようでした。(第一楽章後のかなり盛大(!?)な拍手がちょっと興ざめだったかな?)
・最後はベートーベン・交響曲第5番「運命」
スケールの大きなトーマス・ザンデルリンク氏の指揮にオーケストラが一体となって、力強いベートーベンが聴けました。第1楽章はゴツゴツとした重い響きの中、木管の上品な音色が光っていた。第2楽章ではオーケストラを慈しむような指揮に感動。問いかけるように始まる第3楽章、そして静寂から歓喜に向って高揚してゆくところは圧巻。
大阪シンフォニカーはやっぱりすごい!いい演奏を創ろうという意気込みが伝わってきて興奮しました。・ アンコールに、台湾の大地震で被災された方々を偲んで「運命」第2楽章の後半部分が演奏された。トーマス・ザンデルリンク氏が「私たち大阪シンフォニカーのメンバーも阪神・淡路大震災で被害を受け、辛い経験をした。しばらく台湾の人たちのためにお祈りをしましょう。」と話され、演奏後会場の明かりが落とされて静かに演奏会が終了した。(以上)