第4回淡路定期演奏会第4回 淡路島定期演奏会
日時:1999年9月26日・日 開演:15時00分
会場:しづかホール(津名町) 
出演:指揮/トーマス・ザンデルリンク pf/石塚明子
曲目:スメタナ/交響詩「わが祖国」より
   “ボヘミアの牧場と森から”
  ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番ハ短調 作品37
  ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調作品67「運命」

コンサートリポート  阿津川 令子さん 京都定期演奏会と淡路島定期演奏会のあたりに、どうも台風が来そうだということで、どちらにも出かける予定をしていた私は、とても天候が心配でした。特に淡路島定演は、マイカーで明石海峡大橋を渡る手はずだったので、台風情報にはとてもナーバスになって数日を過ごしました。
 結局台風は、まるでシンフォニカーの演奏会に遠慮するかのようにして合間の金曜日に一過し、淡路島定演の前日25日に、私は無事淡路島入りすることができたのです。明石海峡大橋が開通して、マイカーで渡るのはもちろん初めての経験!!滋賀を出発して、わずか1時間あまりのことでした。
抜けるような秋空の元に、燦然とそびえ立つ明石海峡大橋。便利さを追求した巨大な人工の産物と自然への影響、そしてその背景に広がる震災復興途上の神戸の街・・・、複雑な想いをはせながら、その景色を後にし、今回の会場のある津名町へと向かいました。

淡路島定演当日、9月26日は私の3?回目の誕生日。年を取るにしたがって、特別な日とは思えなくなっていたのですが、今年は思いきって「Birthday Concert」を自分のために、プレゼントしてあげることにしたのです。自分の誕生日に、大好きな大阪シンフォニカーの演奏を聴かせてもらえるなんて、何とすばらしい贅沢でしょうか!

会場の『しづかホール』は海に近く、潮風がとても気持ちのいいところでした。
とりあえず、開演前の食事に出かけておられる楽団員の皆さんが楽屋に戻ってこられるのを“待ち伏せ”し(笑)、私が“追っかけ”をしている打楽器の花石さんに一声かけてから、入場しました。今日の彼の私服は、「WAR IS OVER」と大きく白字でプリントされた黒いTシャツにGパン、そしてサングラス。う〜ん、やっぱり何を着ていても様になる人だ…。
『しづかホール』内部は、思っていた以上にこじんまりとしたホールで、後方の席でもステージが身近に感じられました。とてもシンプルな構造だけれど、どこか教会を思わせるような造りです。

1)スメタナ:交響詩「わが祖国」から “ボヘミアの森と牧場から”
 今日の“ボヘミア…”は、京都の時よりも緩やかなテンポで始まりました。中盤〜後半のアップテンポとはかなり対照的。踊るように、舞うように指揮されるザンデルリンクさん。美しい牧歌的な情景が目の前に広がるような、流麗な響き…。今年に入って何度もシンフォニカーの演奏を聴いてきましたが、京都定演と共に今回は特に、弦楽器の美しさが際立っていました。
 この曲は、“モルダウ”に比べるとあまり知られてはいませんが、私は大阪シンフォニカーの“ボヘミア…”を聴いてからは、すっかり大好きな曲になっています。いつか、「わが祖国」全曲をザンデルリンクさんの指揮で是非とも聴いてみたいと思いました。
2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37
 私にとっては初めて耳にする曲、そして初めてお会いするソリストでした。
技巧的にはややあぶなっかしい所もあったようですが、初々しさがあり、非常に好感の持てるさわやかなソリストの石塚さんは、これからの活躍が楽しみな方です。第2楽章の夢見るようなLargoが大変美しかったのが印象的でした。
 地元淡路島在住のピアニストであったせいか、会場全体に石塚さんを見守るような暖かい雰囲気が満ちており、満場の拍手が起こりました。
3)ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調
  作品67「運命」

 冒頭の「タタタタ〜ン」があまりにも有名なこの曲。実は全曲を生演奏で聴いたのは、京都定演が初めてでした(笑)。
 交響曲の第2楽章では、ついウトウトとしていまいがちな私ですが、今回は第2楽章の木管・弦(特に低音)・フルートの美しさに聴き惚れていて、眠っている場合ではなく、あらためてシンフォニカーの実力を感じました。第3楽章〜第4楽章の盛り上げは、もはやいうまでもありません。とある方がシンフォニカーを“爆裂オケ”と表現されていますが、まさにその“爆裂オケ”の本領発揮!!あまりのドラマティックな展開に、胸がドキドキと高鳴ってくるのです!コントラバスとチェロの力強さが頼もしい!!
そしてやっぱり、私の大好きな花石さんのティンパニは絶品でした(これを書き始めると長くなりすぎるので、ここでは書きませんが…)。
4)アンコール
 京都定演の時と同じく、ザンデルリンクさんのメッセージの後「運命」の一部が再演奏され、会場も一体となって、トルコ地震・台湾地震の被災者の方々に“祈り”が捧げられました。静かで、ひそやかな演奏終了。
〈全体を通して〉
 よく考えてみれば、クラシックらしい演奏会は6月末の「大阪シンフォニカー in なら」以来で、久しぶりにじっくりとシンフォニカーの純然たるクラシックを堪能した気がします。とりわけ今回は、弦楽器の響きがとても美しかったのが印象的でした。「またさらに腕を上げましたね!」という感じ。
 ただ、京都定演と比べると、弦楽器奏者の数が少なかったせいもあるのか、やや迫力不足の感が否めなかったのは残念です。また、聴衆の側は、京都定演と同じく拍手のタイミングが悪かったり盛り上がりには欠け、やや寂しく感じました。
それにしても、シンフォニカーの皆さん、とっても素敵な「Birthday Concert」をありがとうございました!!

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