第48回名曲コンサート2007年11月25日(日)
指揮:寺岡清高(正指揮者)
ギター:鈴木大介
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲Op.34 
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」組曲
★コンサートに寄せて

◆ 正指揮者の寺岡清高の指揮で、R=コルサコフの「スペイン奇想曲」、ロドリーゴのアランフェス協奏曲、それにファリャの「三角帽子」組曲という、スペイン音楽とスペインにちなんだ音楽のプログラムで、いかにも名曲コンサートにふさわしい曲目だった。なおギター独奏には、鈴木大介が招かれていた。
 寺岡の指揮の優れている点は、オーケストラを決して煽り立てないところである。「スペイン奇想曲」でも金管と打楽器を極力抑え、弦を中心にたっぷりと旋律をうたわせる、至極オーソドックスな曲作りで、耳に余計な刺激を与えることがない。この曲の演奏では多くの場合、オーケストラのドンチャン騒ぎに終始するが、寺岡はバランスを考え、しっかりとコントロールしていたのは、やはり彼の音楽的センスといっていいだろう。
 ロドリーゴでは、アレッサンドリア市国際ギター・コンクールに優勝した、鈴木大介が起用されたが、筆者は初めてステージに接した。いわゆる今はやりの技巧派ではなく、からっと爽やかな雰囲気の持ち主であると同時に、独特の感性のあるデリカシーが持ち味の奏者とみた。特に第2楽章での緻密で、デリケートなうたい回しは、魅力的だったといえる。ただ両端楽章ではもう少し、技巧的な切れ味があれば、よりいうことがなかっただろう。ここでも寺岡の的確なサポートぶりが目立ち、特にオーケストラの果敢なうたわせ方は、彼ならではの個性といえそうだ。
 ファリャもスペインの民俗臭ふんぷんといったスタイルではなく、むしろ都会的な洗練みを表立てた表現で、純音楽的な演奏になっていた。勿論オーケストラは十分にコントロールされ、節度のある表現で騒々しさのないサウンドは、寺岡の知性を感じさせるものだったが、R=コルサコフに比べると、幾分金管などに解放感が感じられた。大阪シンフォニカーは、木管のソロイスティックな表現にも過不足なく、大いに健闘していたことも付け加えて置きたい。(11月25日 [昼の部] ザ・シンフォニーホール)
(C)出谷 啓

HOME | もどる