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指揮:北原幸男
ナレーション:加藤燿子 スメタナ 歌劇「売られた花嫁」序曲 スメタナ 連作交響詩「我が祖国」より 交響詩「モルダウ」 チャイコフスキー バレエ音楽「白鳥の湖」Op.20より(ナレーションつき) ☆コンサートに寄せて |
◆ 曲目はスメタナの歌劇「売られた花嫁」序曲に始まり、交響詩「モルダウ」、それにチャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」の抜粋という、いかにも「名曲コンサート」らしいプログラム。理屈抜きで楽しめる、音楽ばかりであった。指揮者は北原幸男、オーストリアのインスブルック歌劇場の指揮者から、ドイツのアーヘン市立歌劇場の音楽総監督を務めた国際派。ちなみにアーヘンの歌劇場の音楽総監督は、かの名指揮者カラヤンが青年時代に、務めていたポストでもある。
北原の指揮はストレートで正統派、音楽の流れが自然で無理がなく、特にスメタナの曲では、チェコのローカルカラーを強調することなく、「モルダウ」などもストーリーテラー的な要素にはこだわらず、プロポーションの美しさを大切にしたスタイル。また「売られた花嫁」では、大阪シンフォニカーの緻密な弦のアンサンブルが光っていた。北原はオーケストラを十分に鳴らしてはいたが、コントロールの能力に優れているので、騒然とした感じにはならなかった。サウンドに対するバランスに関しては、かなり高度な職人芸の持ち主とみた。
チャイコフスキーはバレエの展開にしたがって、ナレーションでつなぐという演出がされていた。アナウンサー出身の加藤燿子が、ナレーターに起用されていた。ただこの語りそのものが、やや紋切り型なためと、マイクロフォンの指向性その他の性能もあってか、言葉がよく聴き取れず、席によっては何のことか、さっぱり分からなかったのは残念。だが演奏そのものは、勘所を良く抑えた職人芸が発揮され、特にフィナーレの劇的な盛り上がりは相当なもので、北原の劇場での実績を窺わせるに足る好演だったといえる。またディヴェルティスマンを始め各ナンバーに聴かれる、弦や管のソロに関しても、大阪シンフォニカーの面々は、ソツなく無難にこなしていたのは立派の一語に尽きる。手抜きがなく正面から、作品と四つに取り組んだ姿勢には、指揮者・オーケストラとも誠実みが感じられ、清々しく聴き楽しむことの出来た「名曲コンサート」であった。
(4月5日 [昼の部] ザ・シンフォニーホール)(C)出谷 啓