第55回名曲コンサート2009年01月24日(土)
指揮:齊藤一郎
ヴァイオリン:林 七奈(当楽団コンサートマスター)★
ヨハン・シュトラウス II  喜歌劇「ジプシー男爵」序曲
ヨハン・シュトラウス II  ワルツ「ウィーンの森の物語」Op.325
ヨーゼフ・シュトラウス  ポルカ「憂いもなく」Op.271
ヨハン・シュトラウス II  新ピチカートポルカOp.449
ヨハン・シュトラウス II  エジプト行進曲Op.335
ヨーゼフ・シュトラウス  ワルツ「うわごと」Op.212

オッフェンバック    喜歌劇「天国と地獄」序曲
マスカーニ       歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
サラサーテ       ツィゴイネルワイゼンOp.20 ★
フォーレ        子守歌Op.16 ★
ヨハン・シュトラウス II 狂乱のポルカOp.260
チャイコフスキー    歌劇「エフゲニー・オネーギン」より“ポロネーズ”

◆ 第55回の名曲コンサートは、年始めの1月ということで、ウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサートにあやかったのか、前半はヨハンとヨゼフのシュトラウス兄弟のワルツやポルカ、それにオペレッタの序曲、マーチという曲目。後半はオペラの序曲や間奏曲、舞曲、また大阪シンフォニカーのコンサートミストレス、林七奈のヴァイオリン独奏で、サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」、フォーレの子守歌も演奏された。指揮者は今春から、セントラル愛知交響楽団の常任に、就任が予定されている斎藤一郎であった。
  前半のウィンナ・ミュージックでは、新味を出そうというわけか、斎藤は細部を細かくいじり回し、テンポの伸縮もかなり旺盛で、特に「ジプシー男爵」序曲などは、自然な音楽の流れが分断され、いくらポ・プーリ(接続曲)とはいえ、これでは何が何でもやり過ぎである。また「新ピチカート・ポルカ」は、ピアニッシモを極端に小さくしたため、鉄琴の音ばかりが目立つ結果になった。そして「エジプト行進曲」では、中間部のオーケストラの楽員による合唱の旋律を、シング・アロング形式で聴衆にもうたわせ、聴衆参加をうながしたアイデアは面白いと思った。名曲「ウィーンの森の物語」では、イントロのツィター独奏は通例どおりカット、弦楽八重奏で代用していた。ほかにはポルカ「憂いもなく」と、名指揮者カラヤンも好んだヨゼフのワルツ「うわごと」も演奏された。
  後半に入るとオッフェンバックの「天国と地獄」序曲では、斎藤の指揮も随分まともになり、不自然な分断感は余り感じなくなった。そして林のヴァイオリン独奏は、確かなテクニックと端正な音楽性で、これら2曲の持ち味を十分伝えて見事だった。特にフォーレでの品の良さが、彼女の持ち味だったといえるだろう。またサラサーテでも、知情のバランスのとれた瑞々しい表現は、若々しく爽やかな好印象を残した。ほかにはマスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲、チャイコフスキーの歌劇「エフゲニー・オネーギン」のポロネーズも演奏されたが、このポロネーズが最良の表現になっていた。
(01月24日 ・ ザ・シンフォニーホール)
(C)出谷 啓

HOME | もどる