第57回名曲コンサート2009年07月20日(月・祝)

指 揮 : ウラディーミル・ヴァーレック
ピアノ : 田部 京子

メンデルスゾーン : 序曲「真夏の夜の夢」Op.21
モーツァルト   : ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K. 595
ブラームス    : 交響曲 第2番 ニ長調 Op.73


◆ 前首席客演指揮者で、プラハ放送交響楽団の首席指揮者を兼任する、ウラディーミル・ヴァーレックの指揮で、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」序曲、モーツァルトのピアノ協奏曲第27番、それにブラームスの交響曲第2番が演奏された。なおピアノ独奏には、ミュンヘン国際音楽コンクール第3位、エピナール国際ピアノ・コンクール優勝歴のある、田部京子が招かれていた。
 ヴァーレックの指揮は、最初のメンデルスゾーンから快調だった。大阪シンフォニカーのアンサンブルもよくまとまり、管弦のバランスもよくとれ、聴いていて何の不満も感じられなかった。いわゆる大向こうを唸らせるような、特別なアピールがあるのではないが、全体が実に安定していて、この上なく座りのいい音楽が、鳴り響いていたのである。ヴァーレックの職人芸の極みとでもいうべきか、とにかく安心して楽しむことの出来る演奏だったといえる。
 田部の弾くモーツァルトも、どこまでも清潔なタッチで、作品に寄り添った品格の高い好演であった。全体にコントロールが行き届き、響きと音色が透明で濁りがない。モーツァルト晩年の澄み切った境地に、ふさわしいアプローチであり、演奏だったといっていい。田部の丁寧で律儀なまでの表現は、まさに誠実そのものだったが、もう少しリズムの躍動が感じられたら、より素晴らしい快演になっただろう。やや拍節感が強調されていたのと、大阪シンフォニカーのアンサンブルに、僅かなラフさが感じられたのが残念だった。
 ブラームスは再び、ヴァーレックの職人芸の勝利で、弱音を大切にした丁寧なアプローチから、それぞれの主題を雄大にうたわせる手法は、さすがヴェテランの腕前と、感心させられるものがあった。そして渋いばかりのブラームスではなく、適度にカラフルな色彩感もあり、メリハリを持たせていた点も、曲のプポーションを明らかにするのに、大いに役立っていたと思われる。ここでの大阪シンフォニカーの反応も、充実した表現能力に支えられた、優れたものであったと評価出来よう。(7月20日・ザ・シンフォニーホール)
(C)出谷 啓

HOME | もどる