2005年12月01日 第105回定期演奏会
■シェフからのメッセージ
今回の定期はメインが定番のチャイコフスキーの交響曲第4番。料理に例えるとすればしっかりとした肉料理でしょうか。そこで前半はちょっと珍しい曲を置いてみまし た。当楽団のいずみ定期等を振って頂いているヨハネス・レーアタワー氏をソリストにお迎えして、氏の御希望でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲の中では比較的演奏されることの少ない第2番を取り上げます。フランス・ギャラント様式のこの曲は、さしずめお洒落なサラダといったところでしょうか。オードブルにはパーセルの歌劇 「ディドとエネアス」を演奏しますが、イギリス・バロックの曲だからあっさり味かなとお思いでしょうか? 実はこの曲、ギリシャの生んだ大指揮者のミトロプーロスが、歌劇の序曲とディドの有名なアリア「私が土の中に横たえられる時」を、レチタ ティーヴォを使って繋げただけの曲なのですが、そこには作曲家でもあったミトロプー ロスの、テンポ表示や強弱記号の追加による濃厚な味つけが施されています。私は縁あってこのミトロプーロスの名を冠したコンクールで賞を得て何度かアテネを訪れた 際、ミトロプーロスのコレクションで名高いゲンナディウス図書館とアテネ大音楽堂(メガロ・ムシキ)の図書館で彼の書いた曲を見る機会を得ました。今回はメガロ・ ムシキ図書館蔵の珍しい楽譜を使って演奏します。
 さて、イギリス人の曲にギリシャ人の編曲、オーストリア人の曲にオランダ人のソ リスト、そしてロシア人の曲と、今回はいつにも増してインターナショナルな一夜になりますが、そこは歴史的に各国料理を巧みに取り入れてきた日本人の末裔である我々シンフォニカーの腕の見せ所です。乞う御期待。
大阪シンフォニカー交響楽団 正指揮者
寺岡 清高

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