2006年5月12日(金)第109回定期演奏会
■シェフからのメッセージ
指揮:児玉宏
ピアノ:石井克典
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番
ブルックナー:交響曲第7番
『時空万華鏡』モーツァルトの「ピアノ協奏曲第23番」がウィーンで初演されたのは1786年。彼が生涯で最も幸福だった時期。ゲーテは「イタリア紀行」へ旅立ち、シラーは「歓喜に寄す」を執筆。二宮金次郎が活躍した当時の日本は「天明の大飢饉」と「打壊し」。
天才が未完の「レクイエム」を残してこの世を去ったのが1791年。フランス大革命で士気昂揚するパリでは人類初の「憲法」が制定され、ハイドンの「驚愕交響曲」にロンドンの紳士淑女はビックリ仰天。「コペルニクスの地動説」が初めて日本語に訳されたのは、この年のこと。
アントン・ブルックナーが生まれた1824年、シューベルトは「死と乙女」を完成させ、ベートーヴェンは「第九」を自ら指揮初演。「マンフレッド」を書いたイギリスの詩人バイロンは異国で病死、フランス人ブライユは「点字」を考案。前年オランダ船で「出島」を訪れたドイツ人医師シーボルトは、幕府の許しを得て「鳴滝塾」を設置。
ブルックナーが「交響曲第7番」を作曲・完成させたのは1881年から83年にかけてなのですが、この頃の出来事は… 神聖舞台祝祭劇「パルジファル」バイロイト初演、ブラームス「交響曲第3番」ウィーン初演、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団創立、メトロポリタン歌劇場開幕。 スイス・イタリアを最短距離で結ぶ「サン・ゴタール鉄道トンネル」開通、ドイツ人技術者ダイムラーは「小型高速ガソリンエンジン」の特許を取得。「ハイジ・ピノキオ・宝島」が出版され、印象派の画家たちが次々と名作を描き、細菌学者のコッホは純粋培養に成功して「結核菌・コレラ菌」を発見。 進化論確立者ダーウィンが亡くなる一方、カフカ、ピカソ、ストラヴィンスキー、アラビアのローレンスやムッソリーニ、そして「5番」で有名なココ・シャネルが生まれたのも、この時期。 黒船来襲・桜田門外の変・大政奉還から明治維新へ、と進んだ日本は「社交ダンスの鹿鳴館時代」。「鉄道馬車」が走り「上野動物園」も開場。10万人の署名のもとに「国会開設請願書」が提出され「自由民権運動」はその頂点へ。明治政府は国会開設・憲法発布を約束、伊藤博文が憲法調査のために渡欧。
ブルックナーの「交響曲第7番」がライプチッヒで初演されたのは1884年。60歳の作曲家の名声が、その生涯で最も高くなった瞬間でした。 さて、手元に「タイム・マシン」があったら、貴方は何処へお旅発ち? エジプト・カイロの「アイーダ」初演? プラハの「売られた花嫁」? それとも「大阪シンフォニカー交響楽団第109回定期演奏会」?
(c)児玉 宏