2011年03月19日(土)第14回東京公演
■シェフからのメッセージ
児玉 宏
今から30年前の1981年3月17日、現大阪交響楽団の前身、大阪シンフォニカーの第一回定期演奏会が森ノ宮ピロティホールで開催されました。
本日の定期演奏会は、創立30周年を記念すると同時に、長い歳月、様々な形で楽団を支え続けてきて下さった方々への感謝の意味を込めて、当時プログラムの一曲目として演奏された、モーツァルトの交響曲第35番 「ハフナー」 をお届けします。
糀場富美子さんの「─古えの堺へ─百舌鳥耳原に寄せる3つの墓碑銘」は、当楽団からの委嘱による新作です。現在、堺市にある百舌鳥古墳群を、隣接する古市古墳群とともに「ユネスコの世界遺産」に登録する準備が進められていると聞きますが、糀場さんが選ばれた題材は、「地域に根付いた文化団体」として活動を続けている当楽団の創立30周年を記念するに相応しい作品になったのではないでしょうか。
今年生誕100年を迎えるニノ・ロータは、日本でもよく知られている「ゴッドファーザー」「道」「太陽がいっぱい」などの映画音楽で名を成したイタリアの作曲家ですが、その彼が、格調高い交響曲やオペラ・協奏曲などを数多く書き残したことは、残念ながら、余り知られていません。
1972年1月にローマで初演された「愛のカンツォーネに由来する交響曲」は、全曲を通じて調性の枠を外れず、古典交響曲の様式を正当に踏襲した構成で書かれています。そのため、独自な書法に基づいた新しい音響だけが革新的な作曲家の証であるという価値観を持った聴衆からは、確実に「時代遅れの産物」という声が上がると思いますが、映画音楽・純粋音楽という狭い枠に囚われず、常に「自分の歌」を追い続けたロータの音楽は、21世紀を生きる皆様の心にも暖かく響くに違いない <名曲> です。
大阪交響楽団 音楽監督・首席指揮者
児玉 宏