2007年11月02日(金)第121回定期演奏会
■シェフからのメッセージ
マエストロ バーンスタイン私の同僚の演奏家達は、幼い頃クラシック音楽のレコードを沢山聴きながら育ったと云う話をよく聞きますが、私の場合は少し違います。父が西洋音楽ファンだったので、家では何時もクラシック音楽がスピーカーから流れてきていたのは事実ですが、それは父の選択で、幼い私にとっては、あまり意味のあることではなかったのです。
自分の意志でレコードを買ったものと言えばイブ・モンタンやピアフ、ジュリー・ロンドンにナット・キング・コール、エラ・フィッツジェラルドとマイルス、ビートルズ、カルロス・ジョビン。そしてウェスト・サイド・ストーリー、シェルブールの雨傘とか…歳がバレてしまいますね。
ウェスト・サイド・ストーリーの曲に関しては、私の心の内ではかなり強いこだわりがあります。それは、私がロス・フィルに入団して間もないときに、作曲家自身の指揮で、このウェスト・サイド・ストーリーの2回目のレコード録音がロス・フィルとされた時の思い出があるからです。練習が始まると“もうこの曲は作曲されて30年程たっていて、皆も理解してくれていると思うから、ボクの事を気にしないで好きなよう思い切りやって下さい。アーッ、でもこのXX小節だけはタイミングが難しいので、申し訳ないけど…エートそしてこのYYY小節目も表現が微妙なのでチョット気を配って欲しいから、そこも僕の棒を見て下さい。マッそんなところで後はお任せすることで良いでしょう。さて私が書いた曲なので、一応私が演奏を始める音頭を取らしてもらいますネ!”と云う具合で音出しが始まったのですが…憧れの曲を、その作曲家がそこに居るだけでなく、1mの距離で振っていて、彼の心臓の鼓動、息使いを聞きながら共演する! この分野に於けるロス・フィルも長い間ハリウッド映画界の音楽に深く携わっているだけに、リズム感の切れ・冴え、音色・ムード創りなどの演出力も抜群の力を持っている。この状況の中で弾いていた私の心境は今でも言葉では語れないのが真実です。
因みに、今晩の全てのプログラムは、バーンスタインの指揮で、そして彼自身の演奏でガーシュウィンのピアノ協奏曲の演奏も御一緒させていただきました。
これらの懐かしい極上の瞬間をもう一度、今度は大阪の皆様と分かち合いたいと思います。
大阪シンフォニカー交響楽団
大山 平一郎
ミュージックアドバイザー・首席指揮者