2008年03月21日(金)第123回定期演奏会
■シェフからのメッセージ
エルガーのヴァイオリン協奏曲を生の演奏で聴く事は非常に稀です。世界的にもこの曲を理解し、弾ききることを本当に出来る奏者は稀有です。この状況の中で、私、オーケストラをはじめ、聴衆の皆様を含め、竹澤さんを独奏者に迎えることが出来た事は、幸運な事と思います。この協奏曲は、ロマンティックな演奏スタイルの象徴である名ヴァイオリニストのフリッツ・クライスラーによって初演され、彼に献呈された曲ですが、この経緯が証しになるように、ブラームスのヴァイオリン協奏曲が書かれた後に続く、ロマン派様式であり、また20世紀前半に書かれた数少ない名ヴァイオリン協奏曲の一つです。日本では、まだエルガーと云う作曲家の名前が広く知られていないかもしれませんが、作曲家不毛の地と言われたイギリスにおいて、国民に認められ、愛された大作曲者です。
私の敬愛するブラームスの作曲した曲の中で、一曲だけを選んでくださいと問われたとすれば、この交響曲第二番を選ぶでしょう。若い頃、室内楽演奏活動を通して、ブラームスの偉大さは、ある程度まで理解していたつもりでしたが、カルロ・マリア・ジュリーニ氏の指揮の下でオーケストラの曲を演奏しはじめた頃、ブラームスの管弦楽が如何に緻密であるか、そして彼の楽曲が非凡な創造力溢れる作曲技法に支えられている上に、人情に問いかける力、そして聞き手の心を誘う力が総合され、構築されているということを教えられました。人間ブラームスの持っている、計り知れない深いロマンが提示、表現されていることに気が付いたのです。勿論、オーケストラ音楽の世界にあまり興味が無かった私も、ジュリーニ氏とブラームスのこの曲のおかげで、開眼したようなことです。大阪シンフォニカー交響楽団
ミュージックアドバイザー・首席指揮者大山 平一郎