ご挨拶-新音楽監督 児玉宏氏を迎えて
本日は第126回定期演奏会へのご来聴まことにありがとうございます。今夜はこの4月に音楽監督にお迎えいたしました児玉宏さんの就任記念定期演奏会でもあります。児玉宏さんと当楽団との出会いは2005年1月の定期演奏会でした。その定期演奏会へのご出演をお願いするために、東京の品川で2003年の晩秋に児玉さんとお会いしたことが、昨日のことのように思い出されます。満面の笑みを浮べながら、「僕はねえ〜ドイツで四半世紀も過ごしているから、もう日本人といっても殆ど頭の中もドイツ人になっちゃってて〜」とちょっと高めの声で暖かくお話しくださるお姿に、何だかとてもほっとするような癒しの雰囲気が流れたことを覚えております。
ところが、ひと度オーケストラの前に立たれて、練習の最初のタクトが振り降ろされた後は、オーケストラの持つ能力を120パーセント、いや200パーセント引き出すようなオーラが感じられたのは私だけでは無いと思います。それから5回の共演を経て、今やオーケストラは完全に児玉さんに恋をしてしまいました。一日も早く児玉さんに逢いたい、そして少しでも良く思われたい。そしてこの至福の時間が少しでも長く続いて欲しいと、彼らは願っています。今日はまさに、オーケストラが待ち望んだ、ウエディングの日。音楽監督 児玉宏の振り降ろすタクトに、心ときめかす楽団員の最も幸せな時間を、どうぞご一緒に感じ取っていただけましたら、幸いです。楽団代表 敷島博子が提唱いたしました当楽団のモットー「聴くものも、演奏するものも満足できる音楽を!」に児玉さんは、さらに「演奏会を創るものも」と付け加えられました。
さて、今夜の演奏は、皆様にご満足いただけますでしょうか? そして、お手元には、2009年度のラインナップもご用意いたしました。2010年3月の定期演奏会のサブタイトルは「変貌する大阪シンフォニカー」。これからの3年間、児玉さんと大阪シンフォニカーが、どのように成長するか、温かく見守っていただけますことを、心よりお願い申し上げます。
敷島鐵雄
2008年6月20日

本日は、大阪シンフォニカー交響楽団第126回定期演奏会にご来場頂きまして、誠にありがとうございます。
既に報道されておりますように、この度、私は、大阪シンフォニカー交響楽団の音楽監督・首席指揮者という責務を3年間、お預かりすることとなりました。「音楽」は、それ自体では直接人間の生命を左右するものではありませんが、「心」を豊かにするという意味では「生きること」と切り離すことが出来ないものだと思います。しかし「文化の利器」という言葉が存在しないことを見ても解るように、<便利であるか、役に立つか、結果が形になるか>という尺度では、音楽の価値を量ることは出来ません。生産性という観点から見ると、音楽は「大きな無駄」かもしれませんが、これからの日本が、こうした「大きな無駄」を許容することの出来る力を持った、豊饒な社会で在り続けることを、切に祈りたいと思います。楽団創立者敷島博子の「聴くものも、演奏するものも満足できる音楽を!」という基本発想の下で年月を経てきた当楽団は、現在、大きな過渡期に差し掛かっております。当楽団の活動に係わるすべての人々が、それぞれの立場で「これからの姿」について考え、知恵を出し合いながら、この過渡期を乗り越えることが出来れば、本当に素晴らしいことだと思います。その過程の中で、微力ではありますが、自らの経験を皆様のお役に立てることが出来れば、私にとって、これ以上嬉しいことはありません。
聴衆として私たちの演奏を見守って下さっている皆様や、日ごろから色々な形で当楽団をご支援下さっている方々に対し、この場をお借りして、心からお礼と感謝を申し上げると共に、今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
児玉 宏
2008年6月20日