2010年09月28日(火)第148回定期演奏会
■シェフからのメッセージ
児玉 宏
「愛する自由」に固執し、過去の愛人の手によって死刺される<カルメン>。
「気品と尊厳」を守るため、自ら死を選択する<バタフライ>。
「社会の無知・傲慢・偏見」に戦いを挑み、人生を無比なものへ変えていく<英雄>。
大阪交響楽団創立30周年記念日に当たる今回の演奏会は、時空を超えて生き続けるこの「三人の英雄たち」を取り上げますが、時代も価値観も異なる三人の「生き様」を、長い歳月を経た「大阪交響楽団の今」と重ね合わせるとき、その歴史の中に、数多くの「無名の英雄たち」が存在し、様々な形で楽団を支え、常に温かく、その動向を見守り続けてきて下さったことに、改めて驚嘆させられます。
オーケストラが組織として存続する為には、文明の利器や知恵が必要不可欠ですが、奏でられた音楽は、結果を量ることが出来る文明の産物ではなく、文化の賜物です。文明は力としての再利用が可能ですが、文化は、その存在自体に意味があります。
今が在るのは過去が在るからですが、<過去を忘れての未来>は在り得ません。
その意味で、大阪交響楽団を取り巻く数多くの「無名の英雄たち」に対し、楽団員と共に、この場を借りて、深く、心から、感謝の言葉を捧げたいと思います。
今回の演奏を聴いて下さった貴方も、立派な「英雄」。
私たちの<大切な仲間>です!
大阪交響楽団 音楽監督・首席指揮者
児 玉 宏