2007年12月07日 第23回いずみホール定期演奏会


夏木マリ

いよいよ、大阪シンフォニカー交響楽団の皆様との共演が実現する、この道のりは長かった。何年か前、マエストロの大山先生から、女性で演じてもよいとの返事がアメリカから来ましたと、お話を頂いた。それはスルー・ロージーズ、現代音楽の作品の中でも最も難易度が高く、演じ手も男性の語り手とはっきりとした指定があり、そう頻繁に演奏されている楽曲ではない。しかし素晴らしい名曲、私はもちろんこの素晴らしい曲を以前に大山先生から教えて頂いていて、いつか演じてみたいと夢みていた1曲であった。許可を頂いてから大山先生と私で、演奏会は2007.12.7と決め、改めて譜面を見て驚いた。大曲だ。1人のヴァイオリニストが演奏家の宿命ともいえる旅、人生も又、旅ともいえるが・・・、ナチス収容所からの帰路の中で吐露する、絶望、葛藤、怒り、そして希望。そして物語の最後に主人公は何を見るのか、私の語りもこれらの思いを超えて何を見るか、今、初日1ヶ月前、奮闘中である。ダイアローグの中に練習、練習という言葉が出てくる。今まさに私に向けられたひと言である。