■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
ドヴォルザーク:序曲「自然の王国で」 作品91
Antonin Dvorak: "In Nature's Realm" Overture,Op.9
作曲年代:1891年3月31日-7月8日
初演:1892年4月28日、プラハのルドフィルヌム(現在の芸術家の家)、作曲者自身の指揮
演奏時間:12'
楽器編成:2Fl,2Ob,EH,2Cl,B-Cl,2Fg,4Hr,2Tp,3Tb,Tub,Tim,1 perc(Trgl,Cym),Str
今晩の演奏会では、チェコの人々に、チェコを代表する国宝的作曲家として愛されているドヴォルザークの晩年の名作を、そのチ ェコのプラハ放送響の首席指揮者をしているヴァーレックの指揮で聞くことが一つの楽しみとなろう。
 ドヴォルザークは、プラハ近郊の小村の肉屋の子として生まれ、幼い頃より音楽の才能を示し作曲家を志したが、貧困のため作曲 に専念することが出来ず、後に国立歌劇場のオーケストラとなった前身の楽団でヴィオラ奏者をしながら、その余暇をさいて作曲をし なければならなかった。しかし、30才の頃作曲に専心することを決意し、オーケストラをやめて、一時貧苦のどん底にまで落ちたが、 34才のとき、隣国のオーストリア政府が、才能ある若い芸術家に出す奨励金のテストに応募、合格し、以後5年間連続してこの奨励金 を受けた。そして、その間、審査に立合ったブラームスに認められ、次第に作曲家としての評価が安定したのであった。不思議というか、当り前というか、今日我々が耳にするドヴォルザークの数多い作品は、ほとんどすべてが34才以後に書かれた作品となっていて、それ以前の多くの作品は、格段に見劣りするのである。
 ドヴォルザークの作品は、交響曲や室内楽曲の器楽の絶対音楽が中心だが、余り演奏されることは無いが、オーケストラ作品には 標題をもった序曲や交響詩もある。この序曲「自然の王国で」は、その代表的なものの一つで、アメリカに行って新世界交響曲を作曲 する直前の、1891年最盛期の作品である。「謝肉祭」「オセロ」と共に序曲三部作と銘打たれているが、今日では3曲続けて演奏され ることはほとんどない。ドヴォルザークのこよなく愛したボヘミアの自然への讃歌というべき、平和な美しい作品である。
(無断転載を禁ずる)(C)草刈津三(音楽プロデューサー)

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