■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
ドヴォルザーク:ピアノ協奏曲ト短調Op.33
Antonin Dvorak: Concerto for Piano and Orchestra in G minor, Op.33
初演:1883年
演奏時間:15',10',9',(34')
楽器編成:2Fl,2Ob,2Cl,2Fg,2Hr,2Tp,Tim,Str
ドヴォルザーク(1841-1904)はスメタナに続くチェコ国民楽派を代表する作曲家です。演奏家としてはヴィオラ奏者で、スメタナ「売られた花嫁」初演のときにもオケ・ピットで弾いていました。ピアノは得意ではありませんでしたが、ピアノを含む室内楽曲では自らピアノを弾きました。「ピアノ五重奏曲」「ピアノ三重奏曲・ドゥムキー」などの完成度からすると、かなりの腕前だったと思われます。
ピアノ協奏曲はこの1曲だけですが、チェコのピアニスト、カレル・スラフコフスキーの依頼によって1876年に作曲され、1878年3月24日に彼のソロによって初演されました。ピアニストのヴィルテュオーゾ的な腕前を顕示するよりも、オーケストラとのアンサンブルに重点をおいた地味なテクスチャーなので、演奏会で取り上げられる機会は多くありませんが、1919年にはプラハ音楽院のピアノ科教授ヴィーレム・クルツがピアノ・パートをカッコよく改訂して見せ場を作りました。しかし今回のソリスト、清水和音さんはドヴォルザークのオリジナル版を弾きます。スタイルの信憑性からも、作曲者の原典を尊重するのが現在のトレンドで、名優の名演には名作を必要としないように、スコアを生かすも殺すも奏者の腕次第です。
第1楽章(アレグロ・アジタート)は協奏風ソナタ形式で、オーケストラとピアノが掛合いで二つの主題を提示します。終結部には型どおりカデンツァがありますが、全体にシンフォニックです。
第2楽章(アンダンテ・ソステヌート)はピアノが艶やかに歌う牧歌的な緩徐楽章です。
第3楽章(アレグロ・コン・フォーコ)はロンド・ソナタ形式です。ロンド主題は祝祭的な民族舞踊のリズムで、ピアノがきらびやかなところが聴きどころです。
(無断転載を禁ずる)(C)鴫原 眞一