■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.53
Antonin Dvorak: Concerto for Violine
初演:1883年10月14日プラハ
演奏時間:10',11',11',(32')
楽器編成:Solo-Vl,2Fl,2Ob,2Cl,2Fg,4Hr,2Tp,Tim,Str
ドヴォルザーク38歳、大変充実した創作期、1879年6月から9月にかけて完成したヴァイオリン協奏曲は、前年5月に書かれた「スラブ舞曲」第1集8曲との相関性が見逃せない。ヴァイオリン協奏曲は当時の巨匠ヨゼフ・ヨアヒムに献呈されたが、ヨアヒムの細部にわたる意見によって修正が加えられ1880年5月に完成。しかし、ヨアヒムは公の場で一度も演奏しなかった。1882年さらに改訂が加えられ、1883年10月14日、チェコのヴァイオリニスト、フランク・オンドジチェックによって漸くプラハで初演、1883年ベルリン・ジムロック社から出版された。
  「今日のドボコンはメンコンほどの派手さはないがなかなかシブイ。メンコンが昼間の太陽とすればドボコンは日没時の赤い夕空という感じ。」これはずっと以前に「週刊朝日」に砂川しげひさ氏がサントリーホールで行われた五嶋みどりとニューヨーク・フィルによるこの協奏曲の演奏について記した文章であるが、この曲全体に流れるドヴォルザーク特有の民族的な素材、例えば、スラブ的舞曲やボヘミア的旋律といったものが、ドイツ古典派音楽の様式とダイナミックに溶け合っているところが「日没時の赤い夕空」のような魅力を醸し出しているとも云えよう。
第1楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ イ短調 4/4拍子
短い総奏のあとソロで民族的でスラブ的な主題が奏される。この主題を中心に展開される自由な楽章。
第2楽章 アダージョ・マ・ノン・トロッポ ヘ長調 3/8拍子 3部形式
前楽章に途切れることなくイ短調からヘ長調に転じて、ゆっくりとソロで新しい主題が奏される。曲調はヘ短調に変わり中間部に入る。そして、突然、トランペットのはっきりとしたリズムとともに最初の主題がもどる。
第3楽章 アレグロ・ジョコーソ・マ・ノン・トロッポ イ長調 3/8拍子 ロンド形式
二つの典型的なチェコの舞曲のリズムを素材にして締め括られるフィナーレ。つまり、この楽章の最初から出てくる速い舞曲フリアントと中間部にニ短調で奏される大変ノスタルジックなドゥムカといった民族的な色調が豊かな音楽で象られ、曲の最後を飾る。
(無断転載を禁ずる)(C)中原 昭哉

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