■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
ドビュッシー:交響詩「海」
Claude Debussy: La Mer 初演:1905年10月15日、ラムール管弦楽団
演奏時間:8',7',8',(23')
楽器編成:3Fl(Pic),2Ob,EH,2Cl,3Fg,K-Fg,4Hr,3Tp,2Cornetto,3Tb,Tub,Tim,3perc(Glock[or Cel],TT,Cym,Trgl,BD),2Hp,Str
フランス人らしい作曲家といえば、まずドビュッシー(1862−1918)が思い浮かぶ。その音楽は極上の絹のような光沢を放ち、気品が漂っている。彼は早くからワーグナーの感化を受けて、がっちりとした構成の巨大な音楽に圧倒された。しかし、詩人のマラルメの知己を得てから象徴派の詩に親しみ、次第にワーグナーから脱却して、独自の境地を切り開いていった。
それは印象主義と呼ばれるもので、行き詰まりをみせていたロマン派の音楽に、新たな活路を見出すものであった。これはもともと美術上の用語で、モネ、ルノワール、セザンヌなどの画家たちが世間の無理解と闘いながら、推進していた運動を指している。モネの描いた作品「印象・日の出」に由来しており、薄く煙る霧の中に太陽がうっすらと浮かぶ情景を感覚的に描いている。ドビュッシーの音楽もこれに似通った
ところがあり、外界の印象を感覚的にとらえるところから名づけられた。
その出発点となった記念碑的な作品が「牧神の午後への前奏曲」であり、マラルメの詩をもとに1892年から94年にかけて作曲された。フルートが気だるそうで官能的な旋律を奏でて、ハープやホルンがこれを追う。ギリシャ神話に登場する半人半獣の牧神と人魚たちがきらめく波間に戯れて、マラルメのうたいあげた小宇宙を見事に再現している。
交響詩の「海−管弦楽のための3つの素描」は印象主義の頂点をなす傑作で、1903年に着手して1905年に完成した。海景から受ける印象を3楽章にまとめたもので、第1楽章の<海の夜明けから真昼まで>はハープとティンパニに洋上のうつろいを託している。第2楽章<波の戯れ>はスケルツォともいえる軽快な旋律が印象的。第3楽章<風と海との対話>では弦楽器(風)と管楽器(海)の対比が鮮やかである。
(無断転載を禁ずる)(C)椨 泰幸

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