■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲J.306
Carl Maria von Weber: "Oberon" Overture,J.306
演奏時間:9'
楽器編成:2Fl,2Ob,2Cl,2Fg,4Hr,2Tp,3Tb,Tim,Str
ウェーバー(1786-1826)はドイツ・ロマン派初期の作曲家で、国民主義の立場から「魔弾の射手」(1821)のようなドイツ語のオペラを創作してワーグナーの楽劇への道を開きました。「オベロン」はイギリスのコヴェント・ガーデンからの依頼で書かれた英語のオペラで、妖精の王様オベロンが后のティターニアと男女の愛について口論になり、苦難に耐えて愛を貫く恋人たちを見つけるまでは口をきかないことになりますが、廷臣パックの気転でめでたく理想のカップルを見つけるという話です。枠組みはシェイクスピア「夏の夜の夢」と同じですが、本編の劇中劇はドイツ人・ヴィーラントの同名の詩を英訳・脚色した台本をもとにしています。フランス・シャルルマーニュ大王の騎士ヒュオンがバクダッド太守の娘レチアを求めて、難船の試練にあいながらも魔法の角笛に救われるというイギリス人好みの荒唐無稽なプロットです。初演はロンドンに出張した作曲者の指揮で1826年4月12日に行われました。なかなかの名アリアもあり拍手喝采でしたが、作曲者が現地に客死して、その後は何度も改作・再演が試みられたにもかかわらず、レパートリとしては定着しませんでした。しかし序曲は波乱万丈の全編をソナタ形式でドラマティックにまとめて、今もよく演奏されます。ホルンの魔法の角笛が印象的です。
(無断転載を禁ずる)(C)音楽評論家 鴫原 眞一