■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
猿谷紀郎(Toshiro Saruya):音の風韻(Oto no Fuin) II for Oboe Guitar and Orchestra (大阪シンフォニカー交響楽団委嘱作品)
2000年の出光音楽賞10周年の記念コンサートの際に委嘱を受け、その時、同賞を受賞したオ−ボエの古部氏とギターの鈴木氏の為に作曲した「音の風韻」から4年たって、今回同じ演奏者とオーケストラに「音の風韻 II」を作曲する機会を与えられました。このデュオの曲は、演奏家の尽力により、再演がとても多くなされた作品で。それにまして今回このような事になったのはとても珍しく、大変幸せな曲だと思います。作曲するにあたって、ただ単純に“デュオプラスオーケストラの伴奏”となる可能性もあったのですが、既に4年という時間が流れてしまった今となっては、それはまるで白黒で完成していたものに、無理矢理天然色を付けて売り物にしている古い映画のような印象を与えかねはしないかという、自分なりの危惧が、少し違ったものを私に書かせたがっているようでした。4年という時間は、人を成長させるのか、退化させるのかはわかりませんが、変化させる事は間違いないようです。題名からもわかる様に、もとの作品を意識しているのは明らかなのですが、初めの曲とは違う、新しい作品になったと思っております。それはつまり、オーケストラには伴奏というよりもむしろ、新しい第3者という役割をもってもらう事にしました。それは初めの作品のエッセンスを抽出して、それをうらごししたような印象が表れたなら幸せです。基が同じでも違った花を咲かせるというような、統一性と多様性は、作曲家が常に考えている音楽の永遠のテーマなのかもしれませんが、今回もその答えの一つの可能性であると考えております。題名の「風韻」とは、その文字どおり風格、尊厳を意味します。3者により創りだされる音の風格が、夾雑物を取り除き、打ち消しながら少しでも何ものかに近付きたいという心構えの私の作品に、新しい可能性を吹き込んでくれる事と信じております。
(無断転載を禁ずる)(C)猿谷 紀郎

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