■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
ショスタコーヴィチ:祝典序曲 作品96
Dmitry Shostakovich: Festive Overture,Op.96
演奏時間:7'
楽器編成:2Fl,1Pic,3Ob,3Cl,2Fg,1KFg,4Hr,3Tp,3Tb,Tub,opt-Banda(4Hr,3Tp,3Tb),Tim,4perc(Trgl,SD,Cym,BD),Str

この曲は1954年11月6日、モスクワのボリショイ劇場で、アレクサンデル・メリク・パシャーエフ指揮の同管弦楽団によって初演された。ロシア革命37周年記念コンサートを飾る曲で、大至急仕上げてほしいと劇場からの急使が、インクの生乾きの原稿を持って帰ったと伝えられている。
 革命37周年とはいかにも半端である。ローレル・E・ファーイの『ショスタコーヴィチ ある生涯』という伝記によると、ショスタコーヴィチは1947年8月末に、来るべき革命30周年の記念式典のため「祝典序曲」を作曲した。レニングラード(現ザンクト・ペテルスブルク)でムラヴィンスキーの指揮で初演されるはずだった。10月には革命記念のための「祖国の詩」も完成させている。しかしどちらも日の目を見なかった。
 当時はスターリン指導の党中央委員会から、12年前に「ムツェンスク郡のマクベス夫人」という「好ましくないオペラ」を発表したことが、あらためて問題にされたようである。スターリンが亡くなった翌年にはじめて「祝典序曲」が委嘱されたのである。
 もちろん前作に手を入れたであろう。トランペットが明るく華やかなファンファーレを繰り返し、これが堂々とした総奏になる。一転して草原を多くの馬が走り回っているような、軽快で早い旋律が、はじめクラリネットで主奏され、つぎにヴァイオリンが反復する。3番目の旋律はチェロとホルンで始められ、なつかしくしかも晴れ晴れとした感じを与える。やがてファンファーレが合奏で回帰してきて、3番目の旋律が短く挿入されて終わる。ソビエト国家の偉業を讃えた作品と、たいていの解説には書いてあるが、それ以上に、ショスタコーヴィチの当時の晴れやかな心境を察することができるように思う。
ショスタコーヴィチ:祝典序曲 作品96
 この曲は1954年11月6日、モスクワのボリショイ劇場で、アレクサンデル・メリク・パシャーエフ指揮の同管弦楽団によって初演された。ロシア革命37周年記念コンサートを飾る曲で、大至急仕上げてほしいと劇場からの急使が、インクの生乾きの原稿を持って帰ったと伝えられている。
 革命37周年とはいかにも半端である。ローレル・E・ファーイの『ショスタコーヴィチ ある生涯』という伝記によると、ショスタコーヴィチは1947年8月末に、来るべき革命30周年の記念式典のため「祝典序曲」を作曲した。レニングラード(現ザンクト・ペテルスブルク)でムラヴィンスキーの指揮で初演されるはずだった。10月には革命記念のための「祖国の詩」も完成させている。しかしどちらも日の目を見なかった。
 当時はスターリン指導の党中央委員会から、12年前に「ムツェンスク郡のマクベス夫人」という「好ましくないオペラ」を発表したことが、あらためて問題にされたようである。スターリンが亡くなった翌年にはじめて「祝典序曲」が委嘱されたのである。
 もちろん前作に手を入れたであろう。トランペットが明るく華やかなファンファーレを繰り返し、これが堂々とした総奏になる。一転して草原を多くの馬が走り回っているような、軽快で早い旋律が、はじめクラリネットで主奏され、つぎにヴァイオリンが反復する。3番目の旋律はチェロとホルンで始められ、なつかしくしかも晴れ晴れとした感じを与える。やがてファンファーレが合奏で回帰してきて、3番目の旋律が短く挿入されて終わる。ソビエト国家の偉業を讃えた作品と、たいていの解説には書いてあるが、それ以上に、ショスタコーヴィチの当時の晴れやかな心境を察することができるように思う。
(無断転載を禁ずる)(C) 雑喉 潤(音楽ジャーナリスト)

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