■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
シベリウス:交響詩「フィンランディア」
Jean Sibelius: Finlandia,op.26
演奏時間:8'
楽器編成:2Fl,2Ob,2Cl,2Fg,4Hr,3Tp,3Tb,Tub,Tim,1perc(Cym,BD,Trgl),Str

スウェーデン系フィンランド人シベリウス(1865-1957)は、祖国ヘルシンキでのヴァイオリンと古典派様式の学習を経て、二十歳も大きく過ぎた1889年にようやくベルリン留学。2年後、知人のピアニスト兼作曲家ブゾーニの推薦状を携えヴィーンのブラームスを訪れるが、入門を拒否される。すると方針一転、ヴァイオリン弾きとしてヴィーンフィルのオーディションを受けたのだから、音楽家としての自活の夢は本気だった。いずれにせよ、ヴィーンフィル入団に失敗し、作曲家として身を立てる決心が付いたようだ。同年に祖国に戻り、作曲活動に専念することになる。
シベリウスが帰国したフィンランドは、帝政ロシアから半独立状態で、隣国の激しい内政干渉を受けていた。1899年、高まる愛国運動の最中、新進気鋭のこの作曲家も『歴史的情景』なる劇の伴奏音楽を担当する。舞台を締め括ったのが、管弦楽によるこの祖国賛歌だった。はっきりとした歴史的文脈に生まれた音楽だが、ここまで傑作なら政治や時代の制約も越えて人類の普遍的な名作として遺るという事実を証明するような作品だ。
アンダンテ・ソステヌートの序奏で、金管楽器が民衆の苦難を叫ぶ。アレグロにテンポを上げ、闘争の呼びかけが盛り上がる。やがて木管に賛歌風の美しい旋律が奏でられる。後にフィンランドでは愛国的歌詞を付けて歌われ、プロテスタント讃美歌にもなるほどの名旋律だ。賛歌が2回繰り返されるや再び闘争が描かれ、管が高らかに賛歌を奏でる。
(無断転載を禁ずる)(C)渡辺 和

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