■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調op.74悲愴
Pyotr I'lyich Tschaikovsky: Symphony No.6 Op.74, B minor, Pathetique
演奏時間:18',8',9',11',(46')
楽器編成:3Fl(Pic),2Ob,2Cl,(opt Bs-Cl),2Fg,4Hr,2Tp,3Tb,Tub,Tim,2perc(BD.Cym,TT),Str
チャイコフスキー(1840−1893)の最後の交響曲。1893年の8月末か9月に完成され、初演は同じ年の10月28日、チャイコフスキー指揮によってサンクト・ペテルブルグで行われた。このときには、まだ「悲愴」という標題はなかった。チャイコフスキーは初演後、弟のモデストと標題について相談し、モデストの提案で「悲愴」と命名された。
ところがチャイコフスキーは、初演後1週間もたたないうちにコレラにかかり、11月6日に急逝した。コレラ流行の最中に生水を飲んだこと、この曲が非常にペシミスティックであることなど、いろいろな理由で、自殺説も唱えられた。
いずれにしても「悲愴」は悲観的な、厭世的な内容である。それはスラヴ人特有の内面告白であり、さらに人間全体に共通する苦悩や不安の表明といえる。つまり、この交響曲は、きわめて主観的であるにもかかわらず、実は普遍的な内容をもっているのである。
第1楽章 アダージョ?アレグロ・ノン・トロッポ ロ短調 4/4拍子
序奏の付いたソナタ形式。主部の第1主題は序奏の主旋律と同じ素材による。アンダンテでニ長調の第2主題が出る。そしてアレグロ・ヴィーヴォに急変すると劇的な展開部に移る。
第2楽章 アレグロ・コン・グラツィア ニ長調 5/4拍子
3部形式。5拍子は珍しいが、これはロシア民謡に多い。中間部はロ短調。ティンパニが単純なリズムを刻む。
第3楽章 アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ ト長調 4/4(12/8)拍子
スケルツォと行進曲を合わせた展開部のないソナタ形式。主題はタランテラ風。中間部のあと行進曲風の主題が導入される。
第4楽章 フィナーレ、アダージョ・ラメントーソ ロ短調 3/4拍子
自由な3部形式。悲痛な暗い主題が印象的である。中間部はニ長調で、心を揺さぶるようなクライマックスを築く。終結部も暗い。
(C) 小石 忠男(音楽評論家)(無断転載を禁ずる)