■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
Aram Il'yich Khachaturian: Concerto for Violin and Orchestra in D minor
演奏時間:14',12',9',(35')
楽器編成:2Fl,1Pic,2Ob,EH,2Cl,2Fg,4Hr,3Tp,3Tb,Tub,Tim,3perc(Tambn,SD,sus-Cym,BD),Hp,Str
アラム・イリイチ・ハチャトゥリアン(1903-78)は現在のグルジア、トビリシ市生まれのアルメニア人でした。日本でもバレエ音楽「ガヤネー」の「剣の舞」がポピュラーですが、民族音楽の特徴を生かした音楽でソ連時代を代表するローカル・カラーにあふれた作曲家 です。音楽の基調にあるのはアルメニアの民謡のリズムとメロディで、フォーク・ミュージックをクラシック音楽の古典的な技法を駆使して形象化しているところが特徴です。ボロディンやリムスキー=コルサコフが開いた可能性を継承して、同時代ではプロコフィエフや ラヴェルの音感や楽想に通低しています。 このヴァイオリン協奏曲は1938年にアルメニア芸術旬間で首都エレヴァンに招かれた際に収集した周辺のアルメニア民族音楽を 基にして、1940年夏にモスクワの「作曲家同盟休息の家」で作曲され、ダヴィッド・オイストラフに献呈されて、1940年11月16日、オイ ストラフのソロとアレクサンドル・ガウク指揮のモスクワ放送交響楽団によってチャイコフスキー・コンサートホールで初演されました。ハ チャトゥリアン自身は来日して、1963年2月9日、読売日響を指揮してレオニード・コーガンのソロで東京文化会館で自作自演しました。 第1楽章(アレグロ・コン・フェルメッツァ)はソナタ形式で、ヴァイオリンが第1テーマを、引き続き第2テーマを導入し、展開部ではかなり長いソロ・ヴァイオリンのカデンツァがあります。作曲者だけでなく、コーガンもカデンツァを書いています。第2楽章(アンダンテ・ソステヌート)は歌謡三部形式で、ソロ・ヴァイオリンが民謡調のメロディを哀愁たっぷりに歌います。第3楽章(アレグロ・ヴィヴァーチェ)は自由なロンド形式で、民族舞踊の躍動的なリズムと民謡的な親しみのあるメロディが聴きどころです。
(無断転載を禁ずる)(C)音楽評論家 鴫原眞一