■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
コダーイ:ガランタ舞曲
Kodaly, Zoltan : Dances of Galanta
演奏時間:(5',3',1',3',3'),15'
楽器編成:2Fl(1.2/Pic),2Ob,2Cl,2Fg
4Hr,2Tp,Tim,2perc(SD,Trgl,Glock),Str
曲名にあるガランタはウィーンとブダペストをつなぐ鉄道沿線の町。ゾルタン・コダーイ(1882-1967)は、鉄道駅長として父親が赴任したこの町で、3歳から10歳まで7年間過ごしました。ロマ(ジプシー)の居住区として知られた地域で、コダーイもロマ楽団の演奏を実際に聴いたそうです。コンサート・ピアニストの英才教育を受けたバルトークが成人してから民謡に目覚めたのに対して、コダーイは物心つく頃から民衆の音楽に囲まれて育ったようです。芸術家肌のバルトークにとって、民謡の精妙な音調は人知を越えた、いわば「自然の神秘」が詰まったミクロコスモス。一方、学校や社会人の音楽教育にも力を入れていたヒューマニストのコダーイは、民謡を今も民衆の中に生きる伝統、人々が声を合わせて歌い踊る「人間社会のリアルな在り方」ととらえていたように思われます。
ブダペスト・フィルハーモニー協会創立80周年を記念して1933年に作曲された「ガランタ舞曲」は、19世紀初頭に出版されたガランタ民謡集の旋律を用いて、ヴェルブンコシュと呼ばれる当時の習俗を描いています。ヴェルブンコシュは18世紀末から19世紀前半にハンガリー軍が新兵を「募集」(=ヴェルブンク)するために各地で開いた一種のキャンペーン。剣と拍車をつけた正装の兵士がロマ楽団の演奏で勇壮かつ楽しげに踊り、軍隊のイメージアップを図りました。19世紀に大流行したチャルダーシュ(酒場の曲芸的なロマの音楽)もここから派生したと考えられています。この作品は、リストのハンガリー狂詩曲やブラームスのハンガリー舞曲の源流となった踊りを想像的に再現しているわけです。
民族の記憶を呼び起こす叙事詩的な序奏に続いて、いかにもロマ風の短調の嘆きの歌と、何種類もの熱狂的な速い踊りが交互にあらわれ、後半は息もつかせぬ展開で踊り続けます。
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