■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
アナトーリィ・コンスタンティノーヴィチ・リャードフ:交響詩「魔法にかけられた湖」Op.62
Anatoly Konstantinovich Lyadov: Volshebnoye ozero (The Enchanted Lake),Op.62
注:名前はしばしばLiadov, Lyadoff, Liadoffなどとも表記される
演奏時間:6'
楽器編成:3232/4000/,Tim,1Per(BD),Hp,Cel/Str

◆ ○リャードフ:魔法にかけられた湖 op.62
リャードフ(1855-1914)はリムスキー=コルサコフ門下のロシア国民楽派の作曲家です。ロシアの民謡を収集して、いわゆる5人組の周辺で活動しますが、父がマリンスキー劇場の指揮者という環境にありながら勤勉や忍耐にはほど遠く、ロシアの民族的な素材を歌曲や標題音楽にまとめることで充足していました。しかし音楽的な才能には恵まれて、ペテルブルク音楽院で作曲を教え、変奏技法やカノン手法などに独自の冴えを見せます。オーケストラ音楽の色彩感や幻想的な音景を描く分野では抜群でしたので、ロシア・バレエのインプレサリオ、ディアギレフは「火の鳥」の作曲を依頼しますが、構想力と勤勉さを欠いたリャードフには完成できず、ストラヴィンスキーが代行してバレエ音楽は新世紀を迎えます。リャードフはせっかくのチャンスを逃しました。
「魔法にかけられた湖」(1909)は「おとぎ話の絵」という副題が付いています。ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」にも通じる印象派の音感が魅力的で、弱音器を付けた弦のさざめきが12/8拍子のアンダンテで湖面の輝きを映す音景のなかで、ハープのアルペジォがきらめき、クラリネット、ファゴット、フルート、オーボエなど、木管のソロがホルンの霧に包まれて魅惑的なフレーズを囁きます。ロシア民謡の妖婆に材を得た「ババ・ヤガ」(1904)やスラブ説話の邪神を描いた「キキモラ」(1912)と並んで、リャードフの宝玉の短編を代表する交響詩です。
(C)音楽評論家 鴫原 眞一

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