■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
ヴォーン=ウィリアムズ  「グリーンスリーヴス」による幻想曲
Vaughn-Williams: Fantasia on “Greensleeves”
演奏時間:4'
楽器編成:1Fl( or 2),Hp( or Pf),Str
 没後50年を迎えたイギリスの作曲家レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ(1872−1958)は、若い頃、英国各地をまわって民謡の採集にとりくみ、古い時代の教会音楽の研究からも豊かな泉を見出したひと。英国の伝統文化を深呼吸したような(少々地味ながら独自の)魅力的な作風を確立した彼は、先鋭の嵐が吹き荒れた20世紀音楽にあっても、温かい人間味を忘れぬ音楽を書き続けた。その音楽は、没後半世紀を経た今こそますます求められているのかも知れない。
 彼の作でもとりわけ愛されるこの曲、冒頭から登場するメロディは古くシェイクスピアの活躍した16世紀エリザベス朝の時代からあったもので、タイトルは緑の袖(グリーンスリーヴズ)の着物をまとった恋多き女のバラードだったことに由来する。オペラ《恋するサー・ジョン》(1929年)でこの旋律が使われたのち、ラルフ・グリーヴズ(名前がややこしいが)による編曲(1934年)で現在のかたちとなり、大人気を博した。
 なお、弦楽器の和音が一瞬ふわっと沸き立ち静まったあとに登場する中間部の旋律は、ノーフォーク州の民謡《ラヴリー・ジョーン》。
(無断転載を禁ずる) (C) 山野雄大 (音楽ライター)

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