■大阪シンフォニカー交響楽団-楽曲解説DB
ウォルトン:戴冠式行進曲「王冠」
Sir William Turner Walton: Crown Imperial: Coronation March
演奏時間:全曲 9'
楽器編成:3Fl(1.2.3/Pic),2Ob,EH,2Cl,B-Cl,2Fg,K-Fg/4he,4Tp,3Tb,Tub/Tim,2Perc/Hp,opt-Org/Str
 ウィリアム・ウォルトン(1902〜1983)は、マンチェスター北東の工業都市オールダムに生まれ、10歳のときにオックスフォードのキリスト教会の合唱児童となり、12歳のころから作曲を始めた。そして早くも20代の後半には《ヴィオラ協奏曲》(1929年完成。初演の独奏はヒンデミットが担当した)などによって、当代のイギリスを代表する作曲家と見なされるに至った。映画音楽の分野でも活躍したが、晩年の作品は保守的かつ内省的に傾いたといわれる。本日演奏される《戴冠式行進曲:王冠》は、本来1936年11月に行われる予定であったエドワード3世の戴冠式のために委嘱された曲であるが、戴冠式が行われないままエドワード3世が同じ年のうちに退位する事態となったため、結局後継のジョージ6世の戴冠式(1937年5月、ウエストミンスター寺院で行われた)において、皇太后メアリーの入場のときに演奏された。楽譜の冒頭の部分に Allegro reale (王のアレグロ)と記されており、ハ長調で、きびきびとしたリズムを伴いながら厳かに進んでゆく。変イ長調のトリオからは、エルガーの《威風堂々》が想起されよう。なおウォルトンは、ジョージ6世の後継となった現在の女王エリザベス2世の戴冠式(1953年)のときにも委嘱を受け、《戴冠式行進曲:宝玉と王の杖》を作曲している。
(無断転載を禁ずる) (C)根岸一美(大阪大学文学研究科教授)

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