児玉 宏
大阪シンフォニカー交響楽団 
音楽監督・首席指揮者 (2008年4月より)
大阪シンフォニカー交響楽団2008年度定期演奏会の曲目について

当楽団では、今年度から定期演奏会の数を10回に増やすことにいたしました。 そして、その結果、今までより多くの「客演指揮者」の方々をお迎えすることが出来ることになりました。このことは、聴衆の皆様にとっては「著名な客演指揮者の方々と私たちが紡ぎ出す音を楽しんで頂く機会が増えた」ということであり、同時に私たち楽員にとっても「曲目が要求する様々な演奏様式を踏まえた上で、それぞれの指揮者の方々の個性に接することの出来る貴重な場が増えた」ということを意味します。
曲目選択に当たっては「客演指揮者の方々の音楽的個性を最大限に尊重する」という意図に基づき、当楽団の持つ時間的経済的制約を踏まえた上で「A・B二案のプログラム」を提示して頂き、全体のバランスを考慮に入れながら、聴衆の皆様に楽しんで聴いて頂ける「変化のあるプログラミング」を目指しました。 加えて、当楽団正指揮者の寺岡清高は、「ベートーヴェンと世紀末ウィーンの知られざる交響曲」という表題の下に、2年間にまたがる「意欲的な4回シリーズ」を企画いたしました。
言うまでもなく「定期演奏会のプログラム」は、そのオーケストラの「名刺」であると共に「政治的な意思表示」でもあります。曲目を選択し、お客様に聴いて頂くために演奏する?という行為の裏には、必ず「何故、今この曲なのか?」という<問>があり、「だから」という<答>があります。また「公開の場で演奏をすること」は、聴衆の皆様に対して、西洋音楽の持つ多様性や多面性に直接接して頂くことの出来る「場を提供する」という意味で、私たちオーケストラが持つ「文化的社会的責任」を担うことにほかなりません。
創立以来「聴くものも演奏するものも満足できる音楽を!」という素晴らしい基本理念の下に年月と歴史を経た現在、「更に幅の広い表現力と的確な様式感に基づく演奏」を目指し、21世紀を生きる日本のオーケストラとして「作曲家の生命や民族の抱える歴史の証」として書かれた音符を、「私たちが読む音の文化」として聴衆の皆様のお心に響かせることが出来れば、私たちにとって、これ以上嬉しいことはないと思います。
音楽やオーケストラは<個人>で出来るものではありません。大阪シンフォニカーにかかわるすべての人が、それぞれの立場で「これからの姿」について考え、知恵を出し合いながら共に進んでいくことが出来れば、本当に素晴らしいことではないでしょうか?
最後になりましたが、日ごろから色々な形で当楽団をご支援下さっている方々や、聴衆として私たちの演奏を見守って下さっている皆様方に、この場を借りて、心からお礼と感謝を申し上げると共に、今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2007年9月7日


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