シェイクスピア生誕450年記念【ヘンリー5世】
≪魅力再発見・ピアノ協奏曲④≫
2015年2月18日(水)19時00分開演
大阪交響楽団2014年度定期演奏会、最終回に当たる今回は、シェイクスピア生誕450周年を記念した作品として、イギリスの作曲家ウィリアム・ウォルトンの「ヘンリー五世組曲」を演奏いたします。
非常に洗練された管弦楽法と、ウォルトン特有の叙情性に溢れるメロディーで書かれたこの曲は、オーケストラの機能性を堪能させてくれる、素晴らしい作品です。
4回目を迎えた「魅力再発見・ピアノ協奏曲」、今回は、皆様良くご存知の日本を代表するピアニスト「田部京子さん」にお願いをして、イタリアの作曲家マルトゥッチのピアノ協奏曲第一番をお楽しみ頂きます。
野心溢れる若きマルトゥッチ自らが独奏パートを演奏し、音楽の都パリで初演されたこの作品は、ピアノ協奏曲の伝統書法を確実に継承した、極めて聴きやすく、親しみ易い作品です。
演奏活動でお忙しい中、貴重な時間を使って演奏準備をして下さった田部さんに、この場を借りて、心から感謝を捧げたいと思います。
「ヘ長調」で書かれた作品は「自然に関係するものが多い」と言われますが、今回演奏するグラズノフの交響曲第七番も、例外ではありません。
第一楽章のテーマに、べートーヴェンの「田園」(交響曲第六番)が重なるのは、勿論、グラズノフの作曲意図だと思いますが、ベートーヴェンの作品から「色彩豊かで、暖かい緑の田園」が聴こえるのに対し、グラズノフの作品からは、「まだ雪の残っている、少し冷たい早春の、朝の青い陽光」を感じるのは、私だけでしょうか?
聴衆の皆様の中で、「新しい発見」が見つかることを!
大阪交響楽団 音楽監督・首席指揮者 児玉 宏