大阪交響楽団 2017年度定期演奏会 シェフからのメッセージ

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2017「定期」シェフからのメッセージ

 
 
第215回定期演奏会   1月12日(金)
寺岡 清高 (C)飯島隆
寺岡 清高 (C)飯島隆
寺岡 清高 (C)飯島隆

 

2016~2018年度全6回シリーズ

≪ウィーン世紀末のルーツ~フックスとブラームスから始まる系譜(4)

 

2018年1月12日(金)19時00分開演

 

今回は、マーラーとその級友ロットの作品集。一般にはまだまだ知名度の低いロットですが、大阪交響楽団のお客様にはすでにお馴染みでしょうか。「ハムレット序曲」の世界初演は2014年6月。ちょうどその日ブラジルでの仕事からウィーンに戻った私は、もちろんコンツェルト・ハウスに馳せ参じました。実はロットはウィーンの作曲家にもかかわらず、主にドイツやスイス、フランスそして大阪(!!)で演奏されていて、滅多にウィーンでは演奏されないのです。戦後のマーラーの再評価がウィーン外から始まったのに似ているかもしれません。今回はその「ハムレット序曲」と「組曲変ロ長調」の日本初演、そして「組曲ホ長調」の再演です。「組曲ホ長調」の再演は意図的なもので、実はこのホ長調の曲のテーマ「シード#ーソ#ーラーソ#ファ#シー」は、マーラーの「巨人」終曲の金管楽器が奏でるニ長調のテーマ「ラ・レーラーシーファ#ーソーファ#ミラー」の下線部と瓜ふたつ。マーラーの剽窃、つまりパクリ疑惑のひとつですが、聴感上はどのような効果の違いがあるのか、どうぞ実際に聴き比べてみて下さい。
そのマーラーの使用楽譜は、「交響曲版」の前身で、「交響詩版」いわゆる”ハンブルク稿”です。但し使用するのは、マーラー協会から新しく刊行されたもので、旧来のハンブルク稿をご存知の方には、別物に聴こえるかもしれません。一方で、版の違いには全くご興味のないお客様もいらっしゃることと思います。確かに版が変わったら、全く別の曲になる(「運命」が「田園」になるような!)ことはございません。我々が今回この版を選択したのも、学究的な意味からではなく、後に削除された第2楽章「花の章」との編成上からの親和性、そして全5楽章を通してマーラーが構想したアイデアを再現するためです。というわけで版の違い云々よりもこの曲で大切なのは、全体が大きく対照的な二部に分けられ、前半で青春を謳歌した主人公が、後半で挫折を経て人生に闘いを挑み、最後は死をもってそれを乗り越えるという、その大胆な構想と、それを表現する音楽の破格さです。「死において初めて自己に打ち克ち、人生に勝利する」という考えからは、例えば「人生とは死への前奏曲である」というリストの「前奏曲」等に連なる人生観が感じられます。リストやワーグナーを敬愛していたマーラーらしい部分です。最後の輝かしいエンディングを、マーラー自身は「第1楽章の主題とともに、彼の素晴らしい青春が再現する。壮大な勝利のコラール!」と説明しています。やはり彼が敬愛していたベートーヴェンの「エグモント」序曲の終結部、亡くなったエグモント伯の業績を讃える勝利の音楽と、コンセプトがよく似ています。中学1年生の時にライブで初めて「巨人」を聴きましたが、その圧倒的終結部を聴いた時の衝撃と感動は忘れられません。
 
 

大阪交響楽団 常任指揮者
寺岡 清高

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