大阪交響楽団 2017年度いずみホール定期演奏会 シェフからのメッセージ

00599087
 

2017いずみ定期シェフからのメッセージ

 
 
第28回いずみホール定期 演奏会 4月26日(水)
阿部 加奈子
阿部 加奈子
阿部 加奈子

第28回いずみホール定期演奏会

シューマンの春

 

2017年4月26日(水)

昼の部14時30分開演/夜の部19時00分開演

 

 この度は大阪交響楽団のいずみホール定期演奏会を客演させていただく機会を賜り、大変光栄に思っております。
  実は今回の公演は、私にとって大阪交響楽団との初顔合わせであるだけでなく、故郷大阪市での指揮者公式デビュー演奏会でもあるのです。
  大阪市阿倍野区で小中学校時代を過ごした後に実家を離れ、東京で一人暮らしをしつつ東京藝大附属高、藝大作曲科で学び、その後パリに留学。パリ国立高等音楽院で研鑽を続けながら指揮者としての活動を始め、気がつけばもう20年以上もフランスに住んでいる、、そんな私が、長〜い時間をかけてようやく、ふるさとの皆様と音楽を通じたひと時を分かち合える。。そのことがとても嬉しく、また感慨深く思われてなりません。両親や兄弟、懐かしい友人達、お世話になった方々、ずっと見守り応援し続けてくださった方々への感謝の気持ちと共に、春らしい清々しさに溢れた音楽を皆様にお届けしたい所存です。

  プログラム第一部は、私が小さい頃から一番好きだった作曲家モーツァルトの作品。
  最初を飾るのはモーツァルトが18歳の時に作曲した交響曲29番。溌剌とした若い生命力に満ちながらも、モーツァルトの内的な成熟が感じられる、魅力的な作品です。
  続いて、気鋭のフルーティスト南部やすかさんのソロでお聴きいただくフルート協奏曲ニ長調。
  モーツァルトは、本質的にオペラ作曲家だと私は常々感じております。どの作品の中にもオペラチックな要素が満載なのです!様々な登場人物が現れ、会話をし、色んなことが次々と起こる。恋人達が愛を語り合ったり、どんちゃん騒ぎのパーティーで酔っ払いが喧嘩を始めたり、道化役がおかしな踊りで笑いを誘ったり、母親が子供に子守唄を歌ったり、、。
ぞっとするような美しい音の世界に込められた人の営みへの深い情愛の眼差し。モーツァルトの音楽の魅力はここにあると私は思います。皆様はどうお感じになるでしょうか。

  第二部では、シューマンの交響曲1番「春」をお聴きいただきます。
紆余曲折の後に裁判まで起こした挙句、ようやく妻クララと結婚することができたシューマンが、新婚時代の幸せの中で書き上げた作品です。明るさと幸福感に彩られた音楽ですが、私には何か暗い「予感」のようなものがそこはかとなく感じられます。
  荘重なファンファーレで幕を開け、天高く飛び跳ねるような若い生命力に息つく間もなく心踊らされる1楽章、優しい慈愛に満ちた2楽章、ユーモアとコントラストに溢れる3楽章に続き優雅さと勇壮さをあわせ持つ4楽章で作品は華やかに幕を閉じます。
  私は幼い頃シューマンの音楽に触れることに少し恐怖を感じていました。というのも、シューマンの音楽の世界に足を踏み込むと、その迷宮の中に引き込まれて迷子になり、二度と戻って来られないような気がしたからです。シューマンの音楽の深さに惹かれ、そこから浮き上がってくる誠実な一人の男性の姿を捉えられるようになったのはつい最近のことです。
  自己を凝視し創造性と向き合うのは同時に破壊性との戦いでもあります。シューマンが自らの心のひだも闇も全てうけとめて、心の叫びを音で紡いで我々に遺してくれたメッセージは、人が人たり得ること、喜びも哀しみも痛みも苦しみも感じ、その感情を分かち合える人間であることの素晴らしさを再確認させてくれる、そんな風に思います。

  春は誕生・芽生えの季節。生き生きとした春にふさわしいプログラムで、皆様と豊かな音楽のひと時を共に過ごせますこと、心より楽しみにしております。

阿部加奈子

 

 
一般社団法人大阪交響楽団
Osaka Symphony Orchestra
〒590-0074
大阪府堺市堺区
北花田口町3-1-15 東洋ビル4F
TEL:072-226-5533
FAX:072-226-5544
 
 
四国支局
〒790-0051
愛媛県松山市生石町
649-11-402
TEL:089-947-4751
FAX:089-934-3577
 
 
201309301658395847.jpg
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<<一般社団法人大阪交響楽団>> 〒590-0074 大阪府堺市堺区北花田口町3-1-15 東洋ビル4F TEL:072-226-5533 FAX:072-226-5544