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第239回 定期演奏会   2021年2月18日(木)に延期
オーラ・ルードナー
須川 展也

2020年5月15日(金)2021年2月18日(木)に延期
19時00分開演
 
ラーシュ=エリク・ラーション(1908-1986)
田園組曲 作品19
 
 ラーシュ=エリク・ラーション(1908~1986)は、スウェーデンの作曲家である。デンマークのコペンハーゲンにも程近い、スウェーデン南部スコーネ地方の街アーカルプに生まれ、幼少よりピアノやオルガン、作曲を学び、1925年に王立ストックホルム音楽アカデミーに入学、作曲をエルンスト・エッルベリに、指揮をオラッリョ・モラーレスに学んだ。アカデミー在学中には「交響曲第1番ニ長調 作品2」を作曲、1929年に自ら指揮して初演している。
 その後ウィーンに留学してアルバン・ベルクに、またライプツィヒでは作曲家フリッツ・ロイターに師事して研鑽を積み、帰国後はストックホルム・オペラでコレペティトゥールを務めながら作曲活動を続け、1932年に作曲した「弦楽オーケストラのためのシンフォニエッタ作品10」が、1934年フィレンツェで開催されたISCM(国際現代音楽協会)で演奏され、一躍国際的な注目を浴びた。この楽曲は、スウェーデン作曲家が初めて十二音技法を用いた記念碑的作品でもあった。また1936年には「演奏会用序曲第2番作品13」が同じISCMで演奏されて大成功を収め、ラーションの評価はますます高まった。
 1937年、ラーションはスウェーデン放送局の専属作曲家兼指揮者、プロデューサーとしての職務に就き、ラジオドラマ用の音楽や劇付随音楽、またはカンタータ等を多く書くことになった。そして詩と音楽のラジオ番組の為に書いたのが6曲で構成された「今日の時々」というオーケストラ作品。これはラーション自身の指揮とラジオ局の室内オーケストラによって1938年10月11日21:30に初演放送された。その後、指揮者のステン・フリュクベリを通じ、イェヴレボリ管弦楽協会(現在のイェヴレ交響楽団)から新作の依頼があったため、ラーションはこの6曲から3曲を選び、「田園組曲」としたのである。ゆえに「田園組曲」としての初演はその後、フリュクベリ指揮イェヴレボリ管弦楽協会によって行われたのは間違いないが、日時会場などの詳細は不明。
 3楽章で構成されたこの牧歌的な作品は、シベリウスの影響を強く感じさせるものの、冒頭の「序曲」では豊かで芳醇な弦や木管の扱い、抒情表現などにラーション独自の感性が光り、続く「ロマンス」ではきわめて美しいメロディーが印象的。そもそも「ロマンス」には、かつてシェイクスピアの戯曲「冬物語」のための劇付随音楽として書いた組曲「冬物語 作品18」の中の〈シチリアーナ〉の主題が用いられており、そして躍動的でエネルギッシュな「スケルツォ」で全曲を結ぶ。
 
   作曲年代 1938年ないし、1939年(「田園組曲」として)
 初  演 おそらく1939年(「田園組曲」として)
 楽器編成
フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、弦5部
 
 
 
ラーシュ=エリク・ラーション(1908-1986)
サクソフォン協奏曲 作品14
 
 作曲家としてのラーションは、交響曲から管弦楽曲、協奏曲、室内楽、声楽曲などの多岐にわたるジャンルに加え、映画音楽や放送用音楽まで手掛けるマルチ音楽家であった。作風もシベリウスなどの影響を受けた後期ロマン派や新古典的で抒情的なものから、十二音技法のような前衛までを含んだオールマイティぶりを示した。1947年から1959年までは、母校王立ストックホルム音楽アカデミーの作曲家教授も務め、1961年から1965年まではウプサラ大学の音楽監督も務めている。
 この「サクソフォン協奏曲」は1934年の作品。この作品の成立には、シガード・ラッシャー(1907~2001)が深く関わっている。ドイツに生まれたラッシャーは、当初クラリネットを学ぶが後にサクソフォンに転向、世界的なパイオニアとして脚光を浴びた。ラッシャーはイベールにサクソフォン協奏曲を委嘱、サクソフォンに関する技巧的な著作も上梓しているが、ラーションに対してもアドバイスを行いながら作品の完成に助力した。ラッシャーはそれまでのサクソフォンの音域を凌駕する1オクターブ高音域の奏法を編み出し、そのフラジオと呼ばれる倍音奏法で一世を風靡した。
 それはラーションのコンチェルトにも如何なく発揮されているが、須川氏は「それのみに特化することなく、全体の響きを深く味わえる演奏に腐心した」とも語っている。
 第1楽章はアレグロ・モルト・モデラート、第2楽章はアダージョ、そして第3楽章はアレグロ・スケルツァンド。
 
   作曲年代 1934年
 初  演
1934年11月27日。スウェーデン ノーショーピング。ソリスト シガード・ラッシャー。トードゥ・ベンネル指揮。ノーショーピング・フィルハーモニー管弦楽団。
 楽器編成
独奏サクソフォン、弦5部
 
 
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲 第5番 ハ短調 作品67 「運命」
 
 古今東西もっとも親しまれている作品のひとつであり、同時に交響曲史上、大きな様式の転換を示した傑作である。
 2020年に生誕250年を迎えたルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)がこの作品のスケッチを始めたのは1803年であり、推敲に推敲を重ねて1808年に完成させている。当初ベートーヴェンは、「交響曲第4番」と同様、オッペルスドルフ伯爵のためにこの交響曲に取り掛かった。当然前金も受け取り、なお制作途中でさらに金銭を要求して受領している。その額は完成時の額の7割にも達したが、結局ベートーヴェンは、完成した作品をオッペルスドルフ伯爵には渡さず、“経済的困窮のため”出版社ブライトコップフ&ヘルテル社に売却してしまったのである。
 当時ベートーヴェンの創作意欲はますます充実の一途を辿り、この交響曲にしても、特筆すべきは運命の動機と呼ばれるモチーフの提示のみならず、むしろ動機の鮮やかで堅固な展開技法であり、また全楽章を通した動機の関連付けにある。初演は「ピアノ協奏曲第4番」と同じ1808年12月22日のアン・デア・ウィーン劇場、自らの指揮によって行われた。ロプコヴィツ侯爵に献呈されている。
 第1楽章冒頭の有名な動機について、ベートーヴェンが弟子のシントラーに「運命はこのように戸を叩く」と説明したというエピソードがあるが、虚言壁のあるシントラーだけに真偽は不明。この音型にしてもハイドンやモーツァルトが使用しており、ベートーヴェン自身「ピアノ協奏曲第4番」や「ピアノソナタ第23番《熱情》」などでも用いている。それより、この単純な動機を綿密な計算のもとに発展させ、気宇壮大な交響曲に昇華させたところにベートーヴェンの独創性がある。
 また交響曲史上初めて、3管のトロンボーンとそれぞれ1管のピッコロ、コントラファゴットを第4楽章に投入し、オーケストレーションの飛躍的な拡大を実現させたことも先進的であった。なお、第3楽章と第4楽章は続けて演奏される。
 第1楽章はアレグロ・コン・ブリオ、ハ短調。第2楽章はアンダンテ・コン・モートで変イ長調、変奏曲形式を採る。苦悩に満ちたハ短調の第3楽章スケルツォを経て、歓喜を爆発させる第4楽章はハ長調。開始から輝かしい響きを伴いながら雄渾に推移し、圧倒的なクライマックスは主題が回想されて壮大に全曲を結ぶ。ベートーヴェンの哲学を標榜する名作である。
 
   作曲年代 1808年
 初  演
1808年12月22日。作曲者自身の指揮。アン・デア・ウィーン劇場にて。
 楽器編成
ピッコロ、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン2、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ、弦5部
 
 
(C)真嶋雄大(音楽評論)(無断転載を禁じる)
 
 
須川展也写真:(C)Tey Tat Keng
 
 
 
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