01240559
 
 
 
第243回 定期演奏会   10月8日(木)
ガブリエル・フェルツ 

大阪交響楽団40年の軌跡メモリアルシリーズ
2020年10月8日(木)19時00分開演 
 
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲 第8番 へ長調 作品93
 
ベートーヴェンが41歳を迎えた1812年の初夏に着手、10月に滞在先のリンツで完成。2年後の2月にウィーンで初演された。この時には、前年に完成した「交響曲第7番」と併せて披露され、作曲も並行して行われたため、ふたつの交響曲は、まるで“姉妹作”のような関係に。第7番が陶酔や激情を象徴するギリシャの神デュオニュソスに例えられるのに対して、第8番は理知的で静かなアポロンともされる。
また、交響曲では唯一、誰にも献呈されることがなかったため、ベートーヴェンが純粋に内的衝動から書いた作品だとも言われる。シンプルな中にも独創的な要素が盛り込まれ、ハイドン的な古い様式に立ち返ったように見えて、ロマン派を先取りする斬新さを併せ持つ。不思議なバランス感覚の上に立つ、佳品である。
〈第1楽章〉当初はピアノ協奏曲として構想されたという。序奏から始まらず、いきなり「生き生きと活発に速く」で第1主題を呈示。少し落ち着いた雰囲気の第2主題が対置され、絶妙なテンポ・ルバート(速度の揺れ)を薬味に疾走する。
〈第2楽章〉定番のアダージョではなく、「スケルツォ風のアレグレット」。規則正しい刻みを背景に、少しおどけた主旋律が、スタイリッシュに舞う。
〈第3楽章〉推進力に満ちた主部を大枠とするメヌエット。低音部の動きがいかにもベートーヴェンらしい半面、ホルンの扱いなどはどこかハイドンを想起させるトリオが挟み込まれる。
〈第4楽章〉2つの3連符の律動が曲を引っ張る「活発に速く」の終楽章。対位法やダイナミクス、楽器の音色の対比などを効果的に織り込まれた、スリリングでキレのいい展開は、まさにベートーヴェンの変幻自在な作曲技法の面目躍如と言えよう。
 
 作曲年代 1812年春?~10月
 初  演
1814年2月27日、ウィーン・大レドゥーテンザールで、作曲者自身の指揮による。
これに先立ち、1813年4月末にルドルフ大公の前で、試演が行われた。
 楽器編成
フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、弦5部
 
 
 
ヨハネス・ブラームス(1833-1897)
交響曲 第1番 ハ短調 作品68
 
ブラームスが交響曲を書こうと思い立ったのは、21歳だった1854年の初め頃であった。師シューマンの「交響曲第4番」の演奏を聴き、大いに刺激を受けて、交響曲への改作をにらんで、2台ピアノのためのソナタの作曲に着手。3月初めには完成をみて、オーケストレーションに取り掛かったが、結局、これらは「ピアノ協奏曲第1番」の冒頭楽章へ転用された。
そして、1855年2月から、全く別の交響曲の作曲に着手。だが、ベートーヴェンの交響曲に理想を見出していた彼は、これらの作品に匹敵するものでなければ、作曲する価値がないとすら考えていた。スケッチを重ね、幾度も最初から書き直すような作業を繰り返した結果、最初の交響曲が完成するまでに、実に21年もの歳月が費やされた。
しかし、それだけの意味はあった。1876年11月に初演されるや、19世紀の大指揮者ハンス・フォン・ビューロー(1830~94)が「これはベートーヴェンの“交響曲第10番”だ」と絶賛。評論家のエドァルト・ハンスリック(1825~1904)は「ベートーヴェン後期の様式に、ここまで肉薄した作曲家は、ブラームスをおいて、他にないのでは。彼は模倣こそしないが、内面の深い部分から創造された作品は、楽聖に近接している」と書き記した。
〈第1楽章〉ティンパニの連打に導かれ、弦楽器の下降音型と管楽器の上昇音型が拮抗する第1楽章の緩やかな序奏部は、まさに“革命的”。この序奏は、曲の大部分を仕上げた後、追加されたという。指揮者のロジャー・ノリントンの説によれば、「ブラームス自身も指揮した、バッハ《マタイ受難曲》の第1曲からインスパイアされたのでは」とも。主部アレグロでは、エネルギッシュな第1主題と、柔らかで半音階的な第2主題を対置。隙のないソナタ形式を成す。
〈第2楽章〉緩徐楽章は、主調の3度上のホ長調へ。本来は輝かしく響く調だが、独特のハーモニー創りが、落ち着いた雰囲気を醸し出す。オーボエが奏する滋味ある旋律に導かれた主部に、急かされるような中間部が挟まる三部形式。主部に返ると、今度は独奏ヴァイオリンが、時にホルンとユニゾンで、時に対旋律を奏して音楽を導く。
〈第3楽章〉ここはベートーヴェンならスケルツォ、モーツァルトならメヌエットだろうが、ブラームスは流麗な感覚に彩られた、“インターメッツォ(間奏曲)”風の楽曲を置いた。常に木管楽器が主導する形で進行。クラリネットの温かな音色が印象的な主部に、生気みなぎる中間部が挟み込まれ、三部形式を成す。
〈第4楽章〉ハ短調に回帰し、再び厳しい表情の序奏で開始。しかし、雄大なアルペン・ホルンの旋律で光が差す。この主題は、ブラームスがクララ・シューマンに贈ったバースデー・カードに、「山は高く、谷は深い。幸いを。千回の挨拶と共に」の歌詞をつけて記されている。そして、トロンボーンが荘厳なコラールを奏し、さらなる神々しさをもたらす。続く主部で、喜びに満ち、堂々とした勝利を象徴するように奏される、力強いハ長調の第1主題。そのシンプルさとインパクトの大きさたるや、ベートーヴェン「第九」終楽章の、“歓喜の主題”と並び称される。これが、流麗な第2主題と対置されて、創意に溢れ、緻密なソナタ形式で展開される。
 
 作曲年代 1855~76年
 初  演
1876年11月4日、カールスルーエでフェリックス・オットー・デッソフ(1835~92)指揮の同地の宮廷楽団による。
同年12月17日には、楽友協会大ホールでヨハン・リッター・フォン・ヘルベック(1831~77)の指揮によりウィーン初演
 楽器編成
フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ、弦5部
 
 
曲目解説:(C) 寺西 肇(音楽ジャーナリスト) (無断転載を禁じる)
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
                                     
 
 
公益社団法人大阪交響楽団
Osaka Symphony Orchestra
〒590-0074
大阪府堺市堺区
北花田口町3-1-15 東洋ビル4F
TEL:072-226-5533
FAX:072-226-5544
 
 
四国支局
〒790-0051
愛媛県松山市生石町
649-11-402
TEL:089-947-4751
FAX:089-934-3577
 
 
201309301658395847.jpg
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<<公益社団法人大阪交響楽団>> 〒590-0074 大阪府堺市堺区北花田口町3-1-15 東洋ビル4F TEL:072-226-5533 FAX:072-226-5544