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第246回 定期演奏会   2月5日(金)
大田 弦(C)ai ueda
渡辺 玲子(C)Yuji Hori

 
2021年2月5日(金)19時00分開演 
 
出演を予定しておりました有希 マヌエラ・ヤンケ氏が、日本への入国規制のため出演できなくなりました。代わって、渡辺玲子氏が出演いたします。
 
 
コダーイ・ゾルターン(1882-1967)
ハンガリー民謡「孔雀は飛んだ」による変奏曲
 
 コダーイ・ゾルターン(1882~1967)は、ハンガリー中部の都市ケチケメートの生まれ。幼少の頃からヴァイオリンを学び、1900年にフランツ・リスト音楽院に入学し作曲を学ぶ。同年に、ブダペスト大学ハンガリー語学科にも入学した。ほどなくハンガリーの民俗音楽に関心をもつようになり、1905年ごろにバルトークと出会う。その後、初めての民謡収集の旅を行なった。1907年からは母校の音楽院で後進の指導にもたずさわるようになるが、彼は民謡収集を続け、それをピアノ曲や歌曲などの創作に活かすとともに、代表的なオペラ《ハーリ・ヤーノシュ》などハンガリーに題材をとった作品も書き上げた。
 コダーイは、ハンガリーの古い民謡に基づいて詩人アディ・エンドレが書いた詩をテキストとして、1937年に合唱曲《孔雀は飛んだ》を作曲した。ハンガリーでは、孔雀は希望を象徴するとされ、圧政からの解放を謳っているとの見方もできる。コダーイは、同じ民謡に基づいてオーケストラによる変奏曲を書き、2年後の1939年に《ハンガリー民謡「孔雀は飛んだ」による変奏曲》として完成させる。この曲は、オランダの名門オーケストラ、コンセルトヘボウ管弦楽団設立50周年を記念とした委嘱作品で、その初演は同年11月23日、同オーケストラとメンゲルベルクの指揮によりアムステルダムで行なわれた。この翌年には、シカゴ交響楽団からの委嘱作品《管弦楽のための協奏曲》が初演されるなど、コダーイは国際的な評価を高めていた。
 この変奏曲の主題にあたるのが、冒頭の「モデラート」で、主題は低弦楽器によって最初に提示される。この主題のあと、テンポの緩急を織り交ぜながら16の変奏とフィナーレが続く。フィナーレでは、終盤(ニ長調)に主題の旋律が高らかに歌い上げられる。
 
●作曲年代 1938〜1939年
●初  演
1939年11月23日、メンゲルベルク指揮、コンセルトヘボウ管弦楽団、アムステルダムにて。
●楽器編成 フルート3(うち1名はピッコロに持ち替え)、オーボエ2(うち1名はイングリッシュホルン持ち替え)、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、ティンパニ、グロッケンシュピール、
トライアングル、シンバル、ハープ1、弦5部
 
 
アレクサンドル・グラズノフ(1865-1936)
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品82
 
 アレクサンドル・グラズノフ(1865~1936)は、サンクトペテルブルクに生まれた。早くから音楽の才能を発揮し、作曲の勉強を始めたのは11歳。1879年には「ロシア5人組」のバラキレフと出会い、絶賛された。彼はリムスキー=コルサコフのもとでプライヴェートにレッスンを受け、16歳で《交響曲 第1番》を作曲。その後、パトロンのベリャイェフに支援を受けてヨーロッパでも活動する機会を得た。1899年にサンクトペテルブルク音楽院の教授、そして1905年には同音楽院の院長となる。しかし、ロシア革命後は批判を受けることが多く、グラズノフは新しい教育のために改革に取り組んでいたが、さまざまな軋轢に苦しんだ。1928年にウィーンへ出国して以降、彼は祖国に戻ることなくパリで客死した。
 1904年作曲の《ヴァイオリン協奏曲》作品82は、グラズノフの絶頂期の創作で、当時の名ヴァイオリニスト、レオポルト・アウアーにアドヴァイスを得て書き上げられた。ロシア独特の重い叙情性にあふれた作品で、独奏ヴァイオリンの濃厚な旋律と、その背景をなすオーケストラの優れたテクスチュアは比類なく強い感動を与える。グラズノフ独特のノスタルジーにあふれる表現の奥に、彼の愛したロシアの風土や民謡の調べも聴こえてくる。
 なお、この作品には楽章ごとの明確な終止線はないが、次の3つの楽章で構成されている。
 第1楽章/モデラート イ短調。クラリネットとファゴットの同音反復に導かれ、メランコリックな趣の第1主題を独奏ヴァイオリンはたっぷりと奏でる。ソナタ形式で書かれており、ヘ長調の第2主題は穏やかな楽想。
 第2楽章/アンダンテ・ソステヌート 変ニ長調。クラリネットの調べに続き、高音部で独奏ヴァイオリンは神秘的な雰囲気を醸し出す。その後、独奏ヴァイオリンは息の長い美しい旋律を奏でてゆく。この楽章では、第1楽章で用いられた2つの主題も登場するとともに、多くの転調を通して様々な表情を見せる。独奏ヴァイオリンの長いカデンツァののち、イ長調の第3楽章に入る。
 第3楽章/アレグロ イ長調。生き生きとした自由なロンド。トランペットのファンファーレに始まり、ヴァイオリンがそれを受け継ぐ。この部分が主題で、8分の6拍子で付点リズムを伴なう動機は狩りの音楽を連想させる。また、バラライカなどの楽器を模した響きも表現されている。
 
●作曲年代 1904年
●初  演
1905年2月15日、ペテルブルクにて。ロシア音楽協会のコンサート。レオポルト・アウアーの独奏。作曲者自身の指揮。
●楽器編成
独奏ヴァイオリン、フルート2、ピッコロ、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ、トライアングル、シンバル、グロッケンシュピール、ハープ、弦5部
 
 
ヤン・シベリウス(1865-1957)
交響曲 第1番 ホ短調 作品39
 
 フィンランドの国民的作曲家ヤン・シベリウス(1865~1957)は、ヘルシンキ音楽院に学んだのち、ベルリンとウィーンで研鑽を積んだ。留学中から叙事詩「カレワラ」に関心をもっていた彼は、それを題材として《クレルヴォ交響曲》を作曲し、帰国後の1892年に初演を果たす。このように、彼はフィンランドの伝説や自然などを結びつけた音楽を書き上げている。また、フィンランドの国民的運動の象徴となった交響詩《フィンランディア》を1899年に完成させた。
 まさに交響詩《フィンランディア》完成と同じ年に、シベリウスは《交響曲 第1番》を作曲した。彼の初期の創作であり、ドイツ・ロマン主義の影響を色濃くとどめ、同時に彼特有の民族的な音の彩りもはっきりと打ち出されている。また、長い保続音や同音連打、モティーフの反復、低音のうねるような動きなど、彼のその頃の創作の特徴も顕著にみられる。透き通るような質感の響きとともに、ドラマティックな情感に満ちあふれた作品である。
 第1楽章/アンダンテ・マ・ノン・トロッポ ホ短調~アレグロ・エネルジーコ。まず序奏部では、クラリネットがモノローグのように旋律を歌う。その後、アレグロ・エネルジーコの主部へと変わり、第1ヴァイオリンが第1主題を奏でる。ソナタ形式に基づいており、さえずるようなフルートの部分をへてオーボエが息の長い第2主題を滑らかに示す。主部では、序奏部の旋律の動機がさまざまに織り込まれている。ダイナミックな強奏が印象的だ。
 第2楽章/アンダンテ(マ・ノン・トロッポ・レント) 変ホ長調。主要主題は、まずヴァイオリンとチェロによって奏でられる。ウン・ポコ・メノ・アンダンテに入ると、木管楽器は自由なフーガで旋律を表わす。三部形式で書かれており、中間部はモルト・トランクィッロ、変イ長調。透き通るような美しさをたたえた叙情性に富んだ楽章である。
 第3楽章/スケルツォ:アレグロ。スケルツォ主部ではリズミックな3拍子の刻まれる部分と旋律的な部分で構成されている。ホ長調の中間部はレントで、前半の管楽器の美しい響きが心に残る。
 第4楽章/フィナーレ(幻想曲ふうに):アンダンテ ホ短調~アレグロ・モルト。序奏では、第1楽章序奏のクラリネットの動機が用いられている。主部はアレグロ・モルトから始まり、クラリネット、ファゴット、そしてのちに加わるオーボエによって第1主題が提示される。なだれ落ちるようなヴァイオリンのフレーズののち、アンダンテ・アッサイでは第2主題をヴァイオリンがゆったりと歌い上げる。
 
●作曲年代 1899年
●初  演
1899年4月26日、ヘルシンキにて。作曲者自身の指揮により初演。
●楽器編成
フルート2(ピッコロ持ち替え)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、テューバ、ティンパニ、大太鼓、シンバル、トライアングル、ハープ、弦5部
 
 (C)道下 京子(音楽評論)(無断転載を禁じる)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                                     
 
 
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