01241040
 

2020「定期」シェフからのメッセージ

 
 
第243回定期演奏会   10月8日(木)
外山 雄三
外山 雄三
外山 雄三

大阪交響楽団40年の軌跡メモリアルシリーズ
2020年10月8日(木)19時00分開演 ザ・シンフォニーホール
 
 ベートーヴェンの交響曲はオーケストラと指揮者にとって、いわば「永遠の課題」、片時も忘れてはならぬ音楽生活の中心である。「第1番」から「第9番」まで、どれをとっても前作と似通っているものは、ひとつも無い。それだけを見ても、この作曲者の並外れた才能、比べ物のない豊かさが窺えるが、何よりも、次から次へと、まるで「湧き出てくる」ように現れる、創意に溢れた楽想、絶えることのない美しい「うた」、今まで誰も書き留めなかった豊かなリズム、そして厳格な形式を次々と発展させてゆく推進力など、私たちは賛嘆するしかない。そのベートーヴェンは修行時代に大きな影響を受けたハイドンを忠実に学びとり作曲の基礎に据えると、次は全く自由に、あらゆる音楽を次々と自分のものとしていった。交響曲を書き始めると、前作と同類と思われるものは一度も現れない。新しい「発明」の連続であって、その集大成のように、音楽史上に聳え立つ、独創性に溢れた「第9」が出現する。その「第9」の直前に作曲された「第8番」は、私たちがよく知っていると思い込んでいる重々しく、厳格で、ユーモアなどとは無縁な大作曲家ベートーヴェンと違って、明るく、時には冗談を言ったり笑い転げたりする人間だったのだと私たちに、その素顔を見せる。
 そのようなベートーヴェンへの憧れと尊敬と畏れが、音楽家ブラームスの生涯の、いわば「核」のような存在であったと私は思っているが、強烈な意志の力で生涯を貫いたベートーヴェンをそのまま、自分と重ね合わせて、その理想の人の真の後継者でありたいと望み続けた生涯は、将に「求道者」と呼ぶのにふさわしいような、厳しさに溢れていると私には見える。しかしブラームスの、どの作品の、どの部分を取り出してみても、そこには常に「熱い血」が溢れていると思える。決して取り乱したりせず、厳格な規範を超えることはないが、その底には、燃え盛る炎のような熱い思いをかけ続けたからこそ、ブラームスの魅力は今日も、いささかの陰りもない。
 新型コロナウイルスの猛威は全ての舞台芸術にとって計り知れない打撃となった。演奏を再開できることに感謝し、まだ創立40年という若い大阪交響楽団がこの困難を乗り越えて更なる高みをめざすよう願ってやまない。
 
大阪交響楽団 名誉指揮者
外山 雄三
 
 
外山雄三写真 撮影:三浦興一
 
公益社団法人大阪交響楽団
Osaka Symphony Orchestra
〒590-0074
大阪府堺市堺区
北花田口町3-1-15 東洋ビル4F
TEL:072-226-5533
FAX:072-226-5544
 
 
四国支局
〒790-0051
愛媛県松山市生石町
649-11-402
TEL:089-947-4751
FAX:089-934-3577
 
 
201309301658395847.jpg
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<<公益社団法人大阪交響楽団>> 〒590-0074 大阪府堺市堺区北花田口町3-1-15 東洋ビル4F TEL:072-226-5533 FAX:072-226-5544